交通事故の被害者の示談交渉について

公開日:2015/11/26
最終更新日:2018/08/02

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交通事故示談交渉

ナビ夫

交通事故に遭った後、損害賠償の金額(示談金)を決める示談交渉を行う際、何をすればいいのか、だれにお願いするべきか、いつのタイミングで行えばいいの、など示談に関する疑問点についてご説明していきます。

1.交通事故 発生から示談成立までの流れ

交通事故 発生から示談成立までの流れの説明図 

交通事故が発生した直後から損害賠償の示談が成立までには、

①病院での検査

事故に遭ったら必ず病院で検査をしましょう。検査結果は示談における大事な証拠にもなりますし、後遺障害等級の申請の際にも認定の参考資料として扱われるからです。

②病院での怪我の治療

病院や薬局でもらう診察明細書やレシートは必ず保管しておきましょう。治療費として保険会社に請求するときに必要です。

③怪我の完治or症状固定診断

治療を続けて怪我が完治すればそのまま示談の準備に入ります。痛みが残り症状固定と診断されると、保険会社からの治療費が止まります。この段階で損害賠償金の計算が始まります。

④怪我が完治しない場合は後遺障害等級申請

症状固定だと確定した後は後遺障害等級の申請を行います。等級に応じて保険会社が支払う後遺障害慰謝料の金額が変わります。

申請方法は事前認定と被害者請求の2つがありますが、自分で資料を集めて申請する被害者請求が認定されやすくおすすめです。

⑤加害者側の保険会社と示談交渉を開始

保険会社と直接話し合うこともあれば、書類のやり取りの示談もあります。示談が決まれば示談書を作り、もし交渉が決裂すれば調停や裁判といった別の方法をとります。

という形の流れがあります。

加害者側の保険会社との示談交渉は下記の3つの対応で大きく変化します。

示談交渉が大きく変化する対応
①怪我の治療や検査を適切な病院で事故の直後に行ったか
②症状固定の診断のタイミング、後遺障害等級
③事故の過失割合

2.交通事故被害者が知っておきたい 示談の進め方、示談交渉のコツ

①示談が始まる前に覚えておきたい大事な2点

示談のコツ1:示談は一度決まったら白紙にできない

示談をする時に知っておきたい情報
▶示談は「一度決まったら撤回(白紙)も変更もできない」という前提条件
▶話し合いをするときは許可を取って内容を録音しておく(無許可はダメ)
▶示談は高い算定基準で損害賠償金を請求できる弁護士に依頼したほうがいい

これらの3つのコツを含めた示談交渉のコツは以下の記事にも詳しく書いてあります。

示談のコツ2:交渉は必ず書面でのやり取りを優先する

▼示談交渉までに被害者側が頭にいれておきたいこと▼
「事故現場の状況」「自分の賠償金の内訳」「当事者双方の保険内容」を把握する
▶損害賠償金は一度自分で計算する(相手側が算定した金額を鵜呑みにしない)
▶示談で感情的になってはいけない
▶交渉内容や会話は書面に必ず残す。口だけはダメ。
裁判という言葉に恐れを持たない
▶損害賠償金は総額で判断するべし(プラスマイナスゼロになるケースもある)
譲り合いの気持ちと誠意をもつ

交通事故の被害者向け 示談交渉時に知っておきたい10個の項目【保存版】

②示談を始めるタイミングは治療終了・後遺障害等級申請の後

交通事故の示談は、被害者の治療が終了、または症状固定になった後に後遺障害等級を申請して認定された後に行います。

示談を行う前の注意点:示談の権利に時効がある

時効があるのは示談ができる権利「損害賠償請求権」です。この時効の起算日(カウントを始める日)は「被害者が加害者とその損害を知った日」です。

▼損害賠償請求権の時効▼
▶加害者請求(任意一括払い)……3年
▶被害者請求……2年

その他の交通事故に関する時効については下記の記事で詳しく説明しています。

損害賠償請求権にも存在する時効。示談はいつまでに始めればいい?

③加害者側の保険会社と損害賠償の示談交渉の進め方

交通事故の損害賠償金の示談は、まず最初に相手側の保険会社より「示談金ですが●●円でどうでしょうか」という提示がされます。

提示された金額に納得がいかない場合は、妥当な金額を知るために弁護士に相談しましょう。弁護士費用特約が利用できる事故ならば、猶更です。

示談の落とし穴①:被害者自ら示談を行うと失敗しやすい理由

▼示談がうまくいかない理由5つ▼
①示談の流れ、方法、正しい対応、対策が分からない
②長期戦になる為精神的に疲れてストレスの原因になる
③法律の専門用語や交通事故の対応の知識不足による不安
④症状固定を打診され、治療費が貰えなくなると思い受け入れてしまう
⑤保険会社の承諾が難しい

どうして被害者自身の示談交渉が失敗してしまうのか、その詳しい理由については下記の記事で説明しています。

示談の落とし穴②:示談交渉の争点は「交通事故の過失割合」

交通事故の示談交渉の争点になるのはどちらがどれだけ悪いのかを示した「過失割合」です。この過失割合を決めるのは警察でも裁判所でもありません。

保険会社が過去の裁判記事を参考にして確定します。過失割合そのものはある程度類型化されています。

▼類型化された過失割合を変更させる方法▼
①実行見分調書を見る
②交通事故に遭った時に事故現場や車の状態を写真にとる
③目撃者や防犯カメラを探す

過失割合の決まり方やその変更方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

交通事故の過失割合の決まり方を徹底解説!有利に認めてもらうためには“証拠集め”が重要

④示談書について

提示された金額で納得すれば、一緒に送られてくる示談書(もしくは免責証書)の中身を確認して署名捺印をして返送します。

示談書のポイント:示談書に必要な項目

 

▼示談書の項目に必須の7点▼
①当事者と事故の特定……いつどこで起きた交通事故について誰が誰に賠償を支払うか特定
②示談金額……示談の結果確定した損害賠償金(加害者が被害者に支払う義務が発生)
③支払い方法……示談金を一括払いor分割払いで支払うのか、分割払いの場合はいくらずつ払うのか、または示談金の支払の期限を特定
④違約条項……支払期限までに加害者が金額を支払わなかった場合どう対応するのか(絶対必要)
⑤留保条項……この示談ではとりあえず保留にして、発生したら別途対応するもの
⑥清算条項……示談書に書かれた示談金以外はこれ以降互いに請求しない、という確認
⑦履行確保のための条項……加害者が未成年や資力に乏しい人の場合、示談金をきちんと支払ってもらうために連帯保証人をつけること

また、示談書や訴訟の書類は被害者(原告)と加害者(被告)をそれぞれ「甲」「乙」に置き換えて書きます(加害者が複数の場合はそれぞれ「丙」「丁」をあてる)。詳しくは以下の記事でご紹介しています。

示談書のポイント:示談書と免責証書は違う

交通事故の示談書には示談書と免責証書が存在します。形式は一緒ですが用途が違うので注意しましょう。双方とも中に書かれているものは「双方が合意した損害賠償金の支払い義務」「損害賠償金以外の支払い義務がない」です。

▼示談書と免責証書の違い▼
▶示談書……事故の当事者全員の署名捺印が必要
▶免責証書……事故の被害者のみの署名捺印が必要

交通事故の示談書を作る際は万が一を考え、公正証書で作りましょう。公正証書にしておけば、もし加害者が支払いを拒否した場合、賠償金の強制執行を裁判所に訴えることができます。

⑤示談以外の解決方法

加害者側の保険会社と示談で話し合っても、当事者同士が納得しない場合は示談ではなく紛争処理機関のADRを利用するか調停や訴訟での解決になります。

解決策①:ADRを利用する

交通事故の示談が決まらなかった場合はADR(裁判外紛争解決手段)という中立の立場の専門家機関が間に入って折衷案を作成して解決する方法があります。

▼ADRの特徴▼
▶当事者双方から内容を聞き、示談案や仲裁案を提案する
▶弁護士に依頼する必要がない
無料で利用可能
ADRが利用できない示談のもめごとがある

ADRはあくまで紛争解決が第一目的の為、示談の状態や当事者同士の関係によっては無駄という可能性もあります。詳しくは下記の記事にて説明しています。

交通事故の示談が纏まらない時に利用する裁判外紛争解決手続(ADR)のメリット・デメリットを紹介

解決策②:調停か裁判で争う

交通事故の示談で当事者同士の主張がぶつかり、話し合いが決裂した場合は示談ではなく裁判所が絡む調停や裁判での決着になります。

●調停の特徴●
裁判所が任命した調停委員2名と裁判官1名が当事者の間に入る
▶調停の方法は被害者の地域の簡易裁判所に申立書を提出する
▶調停の場には代理人が出席してもよい
加害者側が調停を申し立てる事もできる
▶あくまで和解なので調停案を断ることもできる

 

●裁判の特徴●
▶裁判所に、被害者が請求した損害賠償金を加害者側が支払うよう訴えてその判決を求める
訴状提出→口頭弁論→弁論準備→証拠提出→確認→判決の流れ
▶訴える金額によって裁判所が変わる(140万以下→簡易裁判所/140万以上→地方裁判所)
▶途中で和解に切り替えることもできる
▶訴額が60万以下の場合は少額訴訟になる

調停や裁判の流れや方法については下記の記事でも詳しく説明しています。

 

交通事故の示談に関するよくある質問と答え

1.物損事故でも相手に示談金は請求できる?

りんね
交通事故で物損事故にすると相手に示談金を請求することはできるの?
アシスト爺ちゃん
まず物損事故か人損事故かは、けが人や死亡した人がいるかで決まるんじゃ。車など物が壊れただけなら物損じゃのう。物が壊れていてもけが人がいれば基本的に人損とされる。

示談金は修理費などを含めた賠償金の総額じゃから、物損扱いにしても修理費や代車代など示談金を受け取ることはできる。

しかし、治療費や入院交通費、休業損害など怪我を前提とした賠償金を受け取ることはできん。

このため、物損扱いにすると相手に示談金は請求できるんじゃが、示談金額そのものが大幅に減額されてしまうんじゃ。

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2.事故後の示談交渉を弁護士に依頼するメリット

りんね
何故交通事故後の示談交渉を弁護士にお願いするほうがいいの?保険会社との違いを教えて。
アシスト爺ちゃん
そもそも保険会社が示談交渉を行えるのは、被害者にも過失が認められる場合じゃ。弁護士は示談交渉なら特に問題なく依頼できる。

もらい事故なら弁護士に依頼するかどうかを選ぶまでもないのう。保険会社に依頼できるとしても、法的な問題が複雑に絡む場合には弁護士に依頼したほうがいいじゃろう。

保険会社は示談交渉に慣れているとはいえ、法律のプロではない事が弁護士との大きな違いじゃ。過失割合や因果関係、素因減額など争いになる法的論点はケースバイケースじゃが、どの事案であれ法的問題を含むから、弁護士に依頼したほうが良いじゃろう。

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3.示談交渉を始めるタイミングはいつがいいか。

りんね
交通事故後の示談交渉はどのタイミングから始めたほうがいいの?
アシスト爺ちゃん
示談交渉をするにも、大まかな金額が把握できていなければ進めようがないじゃろう。保険会社が治療費を立て替えてくれる例が多いが、いつまでも支払い続けてくれるわけではない。

どのくらいのお金があれば事故前の状況まで回復できるのか、あるいは、どのくらいの金銭的な埋め合わせがあれば納得できるのかを判断できる状況になるまで待った方が良い。

一般的に交通事故後の示談交渉開始のタイミングは、怪我が完治したときか症状が固定したときと言われておるのう。

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4.示談交渉で必要な書類について

りんね
交通事故後の保険会社との示談交渉において、必要な書類は何?
アシスト爺ちゃん
示談交渉を有利に進めるためには、きちんと証拠に基づいた主張をすることが大切じゃな。必要書類を集めることも示談交渉に欠かせない準備じゃ。

まず、交通事故の起きた日時や場所、当事者などが記載されている交通事故証明書はすべての事故で必要となるのう。より詳細な情報が必要になる場合には、事故発生状況説明書や実況見分調書が有効じゃ。

そのほか被害者が請求したい費用項目に応じて求められる書類が変わってくる。怪我の治療費を請求したいなら診断書や診療報酬明細書、修理代を請求したいなら修理費用の見積書や事故車両の写真が求められよう。

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5.被害者が意識不明の場合、示談交渉の進め方

りんね
交通事故で被害者が意識不明の場合、そもそも示談交渉はできるの?
アシスト爺ちゃん
特に弁護士費用特約のないケースでは、被害者自身が示談交渉をするケースも多いのう。しかし、弁護士や司法書士、保険会社が示談交渉を代行するケースも多い。

もっとも被害者が意識不明の重体であれば、被害者自ら誰かに示談交渉を依頼することができん。

その場合もし被害者に意識回復の見込みがなければ、家庭裁判所に対して成年後見人の申立てを行い、本人に代わって意思表示ができる人をつけてもらうことになるんじゃ。

それが認められれば、成年後見人が被害者本人に代わって弁護士に依頼できるようになる。

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6.事故に合ったのが子供の場合の示談交渉の進め方

りんね
子供が交通事故の被害者になったら、示談はどうやって行うの?
アシスト爺ちゃん
まず交通事故の被害者が子供や未成年の場合は親権を持つ両親が代理人になるから、示談を行うのは親になる。

もし親がいない場合は後見人が選出されるんじゃ。子供の示談の特徴として、請求する賠償金の中に「事故による勉強や習い事の遅れやそれを取り戻す為の金額」が含まれるんじゃ。

また子供が事故で亡くなってしまった場合は、親への慰謝料も認められる。子供が被害者の示談で最も争う内容は「責任能力と善悪の判断の有無」じゃ。

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示談交渉を有利に進めたい場合は弁護士への依頼がおすすめです!

交通事故でケガを負った場合、保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。

初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは弁護士へ相談してみましょう。

【交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリット】

・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・相手方に請求する示談金を増額させることができる。
・通院中や入院中など、交通事故のダメージが残っているときでも、示談交渉を任せられるため、治療に専念できる。

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