交通事故の示談交渉で負けない3つの方法と7つのテクニック

交通事故保険弁護士損害賠償示談交渉被害者

交通事故後の示談交渉をしている人の身振り手振りのイメージ画像

 

 実は示談交渉は事故直後の相手とのやり取りから始まっている

 交渉の場において最も重要なのは正確な情報の多さ

 焦らず恐れず、冷静に交渉して慰謝料を客観的に判断することが大事

示談交渉は、治療が終わり損害額が決まってから開始するものですが、実際は交通事故直後の加害者側とのやり取りの時点から、示談交渉は始まっていると言っても過言ではありません。

つまり、早い段階から示談交渉を見据え、そのために必要な準備をすることが、主導権を握り交渉を有利に進めることに繋がります。

では、その示談交渉を有利に進めるために必要なこととは何でしょうか。

  1. 事実を正確かつ明確に把握する
  2. 正しい損害賠償額を計算するための知識を身につける
  3. 示談交渉のテクニックを身につける

それぞれどのようなものか詳しく見ていきましょう。

事実を正確かつ明確に把握する

事実を正しく判断するイメージ写真

どれだけ損害賠償額を正確に計算しても、どれだけ優れた交渉テクニックを駆使しても、前提となる事実が間違っているのでは意味がありません。

また、より正確でより多くの情報を持っている方が交渉の場では有利な立場に立つことができます。その時、特に重要となる事実が以下の3点となります。

  1. 交通事故の状況
  2. 損害に関する事実
  3. 加害者と被害者が加入している保険と契約内容

こちらもそれぞれ詳しく見てみましょう。

交通事故の状況

当事者間の責任(過失割合)を判断するうえで、交通事故の状況を把握することは非常に重要です。時間が経過すると記憶はどうしても曖昧になりますし、道路状況や交通規制などが変わってします可能性もあります。そのため、事故後なるべく早めに事故現場に足を運ぶようにしましょう。

事故現場でチェックするべきポイント

事故現場では、道路の状況や加害者/被害者の双方からの見通しの良否、交通量、一時停止の有無や制限速度、ブレーキの痕、残っていれば警察の実況見分の時のマーキングなどを確認して、写真やメモをとって記録しておきます。

また、事故によって破損した車や自転車、衣類などの被害状況を写した写真も、損害や衝撃の大きさを証明する証拠になります。

【事故現場のポイント】

point ・双方からの見通し、ブレーキ痕、事故の時間の交通量

・残っている事故の状況をスマホやカメラで撮影する

・被害者側の被害状況を写真に撮っておく

損害に関する事実

交通事故の通院費などの領収書をまとめて束にした画像損害賠償金を請求するためには、領収書などの資料で損害を証明しなければなりません。そのため、治療費など支出したものの領収書や損害に関係がある書類は必ず保管しておくようにしましょう。

また、事故に遭ったことで仕事を休まざるを得なくなった場合は、休業損害を請求するために、給与明細や源泉徴収票などの資料を用意する必要があります。

休業損害について詳しくはこちら

事故による後遺障害に対する慰謝料を請求する場合は、症状の状況や程度、生活にどのように影響するかをメモなどに記録しておくようにしましょう。

後遺障害について詳しくはこちらから

【損害費用のポイント】

point ・事故によって出た費用(治療費、通院費など)は必ず領収書をもらい保管

・給与明細、源泉徴収票を用意

・後遺障害の請求の場合は症状を常にメモしておく

加害者と被害者が加入している保険と契約内容

保険を確認するイメージ写真

損害賠償金は、基本的には加害者が加入している保険会社から支払われることになります。しかし、加害者が保険に未加入、または自賠責保険にしか加入していないとなれば、被害者は納得のいく損害賠償金を受け取ることができません

しかし、被害者が加入している保険の中には、こういうケースに使うことができる契約内容が含まれている可能性があります。また、労災保険などの社会保険を利用して給付を受けることもできる可能性もあります。

加害者が保険に未加入・自賠責保険だけに加入している場合の対処法について詳しくはこちら

【保険のポイント】

point ・加害者の保険の状態を確認

・自身の保険内容を今一度確認する

・年金や労災保険でも給付が受けられる可能性がある

正しい損害賠償額を計算するための知識を身につける

損害賠償金は、決して大まかに計算してものではなく、事故によって被害者が被った損害の内容を一つ一つ積み上げた合計金額です。そのため、請求する損害の内容をきちんと把握することは、適正な損害賠償額を得るうえで非常に重要です。

りんね
損害賠償金って被害者が被った損害を全部合計した金額なんだね。細かい金額まできちんと計算しないといけないなんて大変だ!

損害賠償について詳しくはこちら

分厚い本とその上の眼鏡の写真

また、交渉の相手となる保険会社の担当者は、専門的な知識と豊富な経験を持っており、あやふやな知識で交渉しても、逆に説得されてしまい結果的に低額な損害賠償額で交渉が終了してしまう可能性があります。したがって、正確な知識を身につけて交渉に臨むことが非常に重要になります。

アシスト爺ちゃん
相手のペースにのせられないことが大切じゃ。そして相手はプロ、あいまいな知識で挑んだところで相手の手のひらで転がされてしまうのが関の山じゃ、じゃから正しい知識を得ることが重要なんじゃよ。

示談交渉のテクニックを身につける

示談交渉前に相手と話すイメージ写真

示談交渉をする時に重要となるテクニックは以下の7点です。

  1. 自身が計算した損害賠償額を前提に交渉を開始する
  2. 法律と証拠をもとに冷静に交渉する
  3. 必ず交渉は書面で行う
  4. 譲り合いの気持ちを持つ
  5. 裁判を恐れない
  6. 最後は総額で判断する
  7. 誠意を持って交渉に臨む

簡単なように思われますが、すべてこなすにはとても難しいテクニックでもあります。その為こちらも一つずつ詳しく見ていきましょう。

自身が計算した損害賠償額を前提に交渉を開始する

被害者の中には「加害者側から誠意ある損害賠償額を提示するのが筋なのでは?」と思う方もいますが、賠償金額を計算するのはあくまで保険会社の担当者であり、その担当者は賠償金額を少しでも下げることを目的に示談交渉を行います。そのため、被害者が納得できる金額が提示される可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

発生した損害を全て把握できるのは被害者だけ

加えて、どのような損害が発生したかについては、被害者自身にしかわかりません。被害者の仕事内容や家族の生活などは、加害者側にはわからず、加害者側が提示する金額は、あくまで一般的な場合に発生する損害の賠償でしかないのです。

こちらの上限を示すことが早期解決に繋がることも

また、被害者側が損害賠償の請求書を作成し、加害者側に提示することは、加害者側に被害者が法的な知識を持っていることを知らせることができますし、被害者側の上限を示すことにも繋がります。被害者側の上限を知ることで、加害者側は、これ以上は請求されないと思い切った譲歩をし、早期解決が実現できる可能性があります。

アシスト爺ちゃん

交渉相手はあくまで加害者本人ではなく保険会社の担当者じゃ。そこを間違えてしまっては大変だから、勘違いせぬようにしないといけないのう。

法律と証拠をもとに冷静に交渉をする

怒りに震えながら供述する被害者の写真事故に遭ったことで自分や家族が被害を受け、不自由な生活を強いられるわけですので、冷静に交渉を行うということは、簡単そうに見えて非常に難しいことです。特に、事故で家族を失ったり、後遺障害が残ってしまった場合であればなおさらです。

しかし、感情的に加害者側を怒鳴りつけたり罵ることで、希望通りの賠償金額になるということは決してありません。最悪の場合、保険会社側が顧問弁護士を窓口に出し、被害者にとって非常に不利となりますので、注意が必要です。

強気な姿勢と法的根拠が最大の武器

示談交渉を行う相手は保険会社の担当者であり、その担当者は裁判になった時にどのような結果になるかを常に考えながら交渉に臨んでいます。そのため、裁判では認められないような請求でないか冷静に見極め、断固として拒否する姿勢が必要になります。

そして、法的な根拠があり、過去の判例の考えに従い、かつ証拠があるのであれば、積極的に主張するようにしましょう。あくまでも冷静に、かつ法律と証拠を武器に交渉に臨むことが納得のできる示談結果に繋がります。

りんね
こちらが怒って冷静さを失ったら相手の思うつぼだね。

必ず交渉は書面で行う

示談交渉に必要な書類を作成しているイメージ画像示談交渉の相手となる保険会社の担当者は、交通事故に関する知識や経験が豊富であるため、直接会って交渉を行うと、どうしても担当者のペースになりがちです。

そのように相手のペースで交渉が進まないよう、交渉を書面で行うようにしましょう。書面で記録を残すことで、「言った」「言わない」の争いも防止することができます。

しかし、全ての交渉を書面で行うことは難しく、どうしても会って交渉を行う機会はあります。この時、加害者側より思いがけない質問をされることもあると思いますが、そのような時は慌てて答えず、確認してから後日回答する旨を伝え、しっかり確認したうえで書面で答えるようにしましょう。

譲り合いの気持ちを持つ

譲歩することで示談交渉が成立し和解した被害者と加害者のイメージ画像

示談交渉において、被害者側と加害者側の双方が納得のいく結果になることは、残念ながらほとんどありません。ほとんどが双方が妥協、あるいはどちらかが妥協する形となります。そのため、自分の請求額から少しでも譲歩するつもりがないという方は、示談交渉より直ちに裁判を起こした方が良いです。

また、お互いが一歩も譲らずに示談交渉が長引けば、その分だけ精神的な負担がかかりますし、精神的な余裕がないと交渉はどんどんうまくいかなくなるものです。

一般的に、示談は裁判基準の78で解決できれば良いと言われています。これを受け入れたうえで譲り合いの気持ちを持てば、自ずと精神的に楽になり良い交渉結果に繋がります。

裁判を恐れない

ガベルをたたく裁判官のイメージ画像保険会社の担当者から「これが納得できないのなら裁判で解決しましょう」と言われることがありますが、裁判になることを恐れる必要はありません。裁判になることで、多少の時間と費用はかかりますが、示談では支払われない弁護士費用の一部や遅延損害金を受け取ることができる可能性があり、決してマイナスになることはありません。

そのため、被害者側が「早期解決のために示談を希望しているが、納得のいく損害賠償金を受け取ることができないのなら裁判をしても良い」という強気な姿勢を示すことは、交渉の主導権を握ることに繋がります。

裁判(訴訟)について詳しくはこちら

斡旋機関に相談する方法も有効

また、保険会社が自社の支払基準を譲らない場合、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなどの斡旋機関の利用を検討していると伝えるのも一つの方法です。

これらの斡旋機関は、基本的に裁判基準を前提に損害賠償を計算するため、保険会社としても裁判基準で話し合いに応じるしかありません。そのため、増額に応じる可能性が出てきます。

交通事故紛争処理センターの公式HPはこちら

日弁連交通事故相談センターの公式HPはこちら

りんね
「裁判」という言葉におびえて妥協しちゃう被害者もいるんだね。
アシスト爺ちゃん
そうじゃ。だからこそ相手はそこにつけこむんじゃよ。
りんね
「裁判になっても構いません」という気持ちで挑まないと示談で勝つのは難しいのかな?
アシスト爺ちゃん
その通りじゃ。裁判という言葉を恐れないことが重要じゃよ。

最後は総額で判断する

被害者の中には、「示談金の金額は納得できるけど、過失割合に納得できないから示談に応じられない」という方がいます。

しかし、実際の交渉の中には、過失割合は譲歩せずに、その分を慰謝料で増額して調整を図るという方法をとることもあります。そのため、示談総額では納得ができるのに、その内訳に納得ができずに裁判を起こすのは、もったいないと言わざるを得ません。

示談交渉の最終局面で示談をするか決定を下す際には、あくまでも示談金額の総額で判断するようにしましょう。

誠意を持って交渉に臨む

被害者だからといって主張が全て通るわけではありませんし、加害者側にどんな態度をとっても良いということはありません。

被害者側の主張や事情を十分理解してもらい、譲歩してもらうためには、加害者側とできるだけ友好な関係を築く必要があります。そして、そのためには、誠意を持った態度で交渉を行うことが非常に大切です。

アシスト爺ちゃん
これはあくまで「負けない」ためであって「勝てる」とは限らないんじゃよ。勝つためなら最初から弁護士に頼むのが一番おすすめじゃ。
りんね
えー!? それじゃこのテクニックの意味ないじゃん!
アシスト爺ちゃん
意味がないことはないぞ!りんねが弁護士になるならこれぐらいは知っておかないとのう。
りんね
僕が弁護士に!?おじいちゃんったら!

示談交渉は弁護士に依頼するのが得策!

重要!一般の人と保険会社では、知識や経験、情報の格差が非常に大きいため、自分自身で交渉を行い、納得のいく結果を得られるのはほとんどは不可能です。

弁護士費用という負担は増えますが、専門知識をもつ弁護士に交渉を依頼することによって、損害賠償金や示談金の増額につながり、弁護士費用を差し引いても得られる金額が増えるケースもありますので、弁護士に相談することを強くお勧めします。

りんね
つまり自分で交渉してもいいけど、成功する可能性は低いってこと?
アシスト爺ちゃん
そうじゃな。お金がかかるからと弁護士を頼まない被害者が多いんじゃが、自分で一生懸命示談をしても、それに見合うだけのお金が貰えないことが殆どじゃ。
りんね
じゃあやっぱり最初から弁護士に依頼したほうが安心ってことだね。確か弁護士がもらえる金額って示談金に依存してるって聞いたよ。
アシスト爺ちゃん
そうそう。報酬金ってやつじゃな。そのあたりは弁護士によって異なるが、大体示談金じゃ。弁護士事務所によっては最初に払う着手金無料のところもあるぞい。
りんね
それなのにどうしてみんな嫌がるのかなぁ?
アシスト爺ちゃん
そりゃ先行イメージが強いからじゃなあ。こればっかりはどうしようもない。

交通事故の示談交渉をする場合の注意点のまとめ

交渉中のイメージ写真

交通事故における示談交渉のテクニックや注意点を見てきました。正しい法律の知識や金額、誠意をもって、冷静に、書面で進めてその場で返事をしないということが示談交渉で負けない内容なのですが、あくまで相手に負けないことであって、相手に勝って示談金を得るというのはとても難しいといえます。

また、今回お伝えしたテクニックは交通事故の示談交渉以外にも様々な交渉や場面で役立つことばかりですので、もう一度読んでおくとよいかもしれません。

交通事故の被害者になった場合、示談交渉を有利に進めたい場合は弁護士への依頼がおすすめです!

弁護士と握手する被害者のイメージ写真

交通事故でケガを負った場合、保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは弁護士へ相談してみましょう。

【交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリット】

・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・相手方に請求する示談金を増額させることができる。
・通院中や入院中など、交通事故のダメージが残っているときでも、示談交渉を任せられるため、治療に専念できる。

↓  ↓  ↓

交通事故の示談交渉に関連する記事はこちら

交通事故の被害者が子供や未成年の場合の示談交渉はどうすればいい? 交通事故慰謝料症状固定示談交渉被害者

   被害者が未成年の場合、親権を持つ親が損害賠償請求権を持つ  未成年の場合、成人と違い勉強や習い事の損害も示談交渉に含まれる  未成年だ…

交通事故に遭った時、保険会社と示談交渉をする際のポイントを徹底解説 交通事故加害者弁護士示談交渉

   示談で交渉する保険会社は基本的に加害者の味方  交渉の際は許可を取って録音し、冷静に証拠を集めよう  示談交渉は弁護士に依頼するのが一…

交通事故の示談を保険会社を使わず自分で行う場合のメリット・デメリット 交通事故加害者損害賠償示談交渉被害者過失割合

   自分で行う示談交渉のメリットは自分の意見をしっかりいえること  逆にデメリットは精神的に疲れる上、金額の相場がわからないこと  保険会…

自営業者が交通事故に遭った場合…仕事ができない期間の「休業損害」をきちんと請求するには? 交通事故休業損害慰謝料請求損害賠償請求被害者

   交通事故に遭った結果、手に入らない賃金を休業損害という  自営業者の休業損害請求は国や病院などの第三者が介入した書類をもとに作成  休…

交通事故の示談交渉で作る示談書と免責証書とは? ~示談書は公正証書で作るべき~ 交通事故加害者損害賠償示談交渉被害者

   示談書とは被害者と加害者が作成し、合意した賠償金などが書かれている  免責証書とは被害者のみが作成するもので賠償金を受け取れば今後何も…

シェアする