交通事故の被害者として必要な検察官への対応

kensatukan

検察官とは、加害者を起訴または不起訴にするかを決定する非常に重要な役割を担っている存在です。ここでは、その検察官が交通事故の手続きにおいてどのような立場であるか、被害者として検察官に対して必要な対応を説明します。

検察官とは交通事故の手続においてどういう立場なのか

検察官は、警察で捜査や処理が終わった人身事故の加害者を、警察で作成した書類(送致書、捜査報告書、実況見分調書、現場見取図、被疑者/参考人供述調書、診断書など)をもとに、起訴または不起訴にするかを決める重要な役割を担っています。

なお、「検察官」は、検事総長(最高検察庁のトップ)、次長検事(最高検察庁のナンバー2)、検事長(高等検察庁のトップ)、検事、福検事(区検察庁に属する検察官)の5つの官名の総称です。

不起訴処分とは?

捜査の結果、被疑者に犯罪の疑いがない場合や、証拠が不十分な場合、情状により処罰が不必要な場合などで、検察官が公訴を提起しないことを言います。

加害者に比べて被害者が検察官と話す機会はほとんどない

検察官は基本的に、警察で作成した書類をもとに、処分を決定するのですが、警察の捜査に不備があるようであれば、補充的な捜査を行うこともあります。また、独自に加害者を呼んで取調べを行う場合もあります。(ちなみに、書類だけで処分を決定する時はほとんどが不起訴処分です)

一方で、被害者と加害者の供述に重大な食い違いがある場合などを除いて、被害者や目撃者などの事故関係者が、検察官に呼ばれることはほとんどありません。この点、検察官に詳しく状況を話す機会のある加害者の方が有利と言えるかもしれません。

交通事故の被害者が検察官とコンタクトをとる方法

それでは、交通事故に関して、検察官に伝えたい被害者の状況や心情などがあり、また、被害者側なりに収集した資料や情報がある場合はどうすれば良いのでしょうか?

josei_1そのような時は、事件を捜査した警察署に事件が送られた検察庁名を問い合わせ、その検察庁に電話で事故の内容(捜査した警察署名、事故発生日、加害者名、被害者名など)を伝えますと、事故を担当している検察官を教えてもらうことができます。

検察官を教えてもらえば、被害者側が把握している事故の状況や、加害者側の不誠実な態度への憤りなど、検察官への訴えを「上申書」として提出することができます。また、担当の検察官に面会を申し込むという方法もあります。

被害者が動かなければ高確率で加害者は不起訴処分

bengosi_soudan現実に、警察が作成した書類と加害者の話だけで検察官が処分を決定した場合、不起訴処分の確率は非常に高いです。簡単に不起訴処分にさせないためにも、決定した処分を待つだけではなく、被害者としてやれることはやっておきましょう。

また、現在は各検察庁内に「被害者相談室」があり、検察庁を定年退職した人が相談員として、被害者の相談に対応してくれます。相談は無料ですし、電話の窓口もありますので、後悔しないためにも気になる点や不満に思う点があれば積極的に利用するようにしましょう。

交通事故の被害者が加害者の処分を知る方法

被害者やその親族、参考人などに加害者が起訴されたかどうか、起訴/不起訴の理由、起訴の場合は略式起訴か本裁判か、裁判の場合は行われる裁判所や裁判の日時を教えてくれる「被害者等通知制度」というものがあります。

被害者が検察官より事情聴取を受けた場合は、通知の希望を伝えておくと、後日に連絡がくることになります。しかし、検察官からの事情聴取がなかった場合や、検察庁からの通知漏れ、通知を受けた後の経過が知りたい場合などは、こちらから検察庁に連絡をすることになります。

交通事故を担当した検察官の名前や部署名がわかっている場合

kensatutyo_denwa担当した検察庁に電話をし、「検察庁の被害者等通知制度の件で、交通部の○○検察官をお願いします」と伝えると、事故を担当した検察官につないでもらえます。

被害者等の本人であることを確認してもらえば、知りたい項目を教えてくれます。電話した後日に、文書で通知してくれる場合もあります。

交通事故を担当した検察官の名前がわからない場合

検察庁に電話し、「被害者通知の件です」と伝えると、担当検察官を調べる部署に電話が回されます。そこで事故の内容、加害者の名前、検察庁に事件を送致した警察署の名称などを伝えると、担当した検察官を調べてもらえ、電話も繋いでもらえます。

被害者相談室に電話をかける方法もある

事件を担当した検察官の部署が変わっている場合や、検察官が不在の場合などは、被害者相談室に電話が回されることがあります。そのため、最初から被害者相談室に電話をかけ、要件を伝えるという方法もとっても良いでしょう。

加害者の不起訴処分の理由を知る方法

加害者の処分が不起訴になった場合、被害者側は少なからず不服に思うことになりますし、当然ながら不起訴の理由を知りたいと思います。

そのような時は、電話で問い合わせるのではなく、検察官に直接会って聞くようにしましょう。そして、その面会の際、被害者側で見つけた証拠品や情報があれば、積極的に持っていくようにしましょう。

決定した不起訴処分はくつがえる可能性がある

起訴猶予などで加害者の不起訴処分が決まっている場合でも、再捜査を求める被害者側から新しい証拠品や情報が提出され、検察で事件を検討し、再捜査や事故の当事者の事情聴取などを行う可能性があります。

そして、その結果、担当の検察官が起訴した方が良いと判断し、不起訴がくつがえったケースもあります。また、最初に提出された診断書から症状が変化したり、加害者の態度が悪かった場合に、不起訴が見直され起訴にくつがえるケースもあります。

加害者の不起訴処分に対して不満がある場合

josei_9人身事故の場合、加害者が不起訴処分になる割合が非常に高く、たとえ起訴されたとしても、書面の審理だけで50万円以下の罰金という軽い処分が言い渡される略式起訴で済まされてしまうなど、多くの被害者が不満を感じることになります。

被害者は検察官が決定した起訴について異議を申し立てることができません。しかし、加害者の不起訴処分については、被害者(または権限をもつ代理人)や遺族が不起訴処分を不服として、検察審査会に申し立てを行うことができます。

略式起訴とは?

書面による審理で、刑事裁判を開かずに罰金などを決める特別な手続きを指します。簡易裁判所で行われ、略式命令という形で罰金額が言い渡されます。

 検察審査会とはどのような組織なのか

検察審査会とは、すべての犯罪について、選挙権を有する国民の中からクジで選ばれた11人の検察審査員が、一般の国民を代表し、検察官の不起訴処分の良し悪しを審査する窓口です。

審査の結果として「不起訴不当」(更に詳しく捜査するべき)、「起訴相当」(起訴するべき)といった判断が下されます。その判断を参考に検察官が再検討を行うことになります。

検察審査会に積極的に相談しよう

saibansyo検察審査会への申し立ての手続きは比較的簡単ですし、いっさい費用がかかりません。不起訴処分に不服の場合は、最寄りの検察審査会に、積極的に問い合わせや相談をしてみるようにしましょう。検察審査会は、全国の地方裁判所や主な地方裁判所支部の中にあります。

現実には、検察審査会が不起訴不当や起訴相当と議決するケースは非常に少なく、不起訴処分をくつがえすことは容易なことではありません。しかし、納得ができずにいつまでも不満を抱えているよりは、検察審査会に相談をして、自分の中で納得ができるまで話を聞いてもらう方が、たとえ不起訴処分の結果が変わらないとしても良いと思います。

交通事故の示談交渉は弁護士に依頼するべき?

交通事故の被害にあうと、通院中や入院中に保険会社との示談交渉が始まる場合もあり、事故のダメージが残っている中、専門知識もないまま専門家と対峙しなければなりません。

非常にハードルの高い交通事故の示談交渉。弁護士に依頼したらどのようになるのでしょう。交通事故示談アシストでは、実際に交通事故被害にあい、弁護士に依頼した方のインタビューをしました。

どのタイミングで弁護士に依頼したのか?、依頼するメリットとデメリットは?、弁護士費用はどの程度掛ったのか?など、気になる事をズバリお答え頂きました。

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