【四輪車同士(自動車 対 自動車)】の交通事故における過失割合

交通事故過失割合

車の側面にぶつかった車の事故のイメージ写真

 

 状況に応じて被害者と加害者の立場が変わるため、衝突車双方の過失割合が細かく定められている

 追突事故は原則として追突した車が原則として100%の過失

 駐停車している車に追突した場合、追突した車が100%の過失を追う

交通事故における過失割合は、事故に遭った際の乗り物やぶつかった乗り物によって異なります。ここでは、四輪車同士(自動車 対 自動車)の交通事故における過失割合について説明していきます。

自動車同士の事故は同じ義務がある

自動車同士の交通事故の場合、基本的には、双方の車が果たさなければいけない義務は同じです。また、衝突による損害も、歩行者対車の場合ほど明らかな違いはありません。そのため、過失割合も歩行者対車のように、際立った格差が出ることは稀です。

「著しい過失」「重過失」は全ての場合で修正要素に

飲酒運転をして歩行者をはねた自動車の運転手のイメージ画像自動車同士の交通事故では、状況次第で加害者と被害者の立場が入れ替わるため、基本的な過失割合もケースごとに細かく場合分けされています。ただし、「著しい過失」と「重過失」は全てのケースに共通して修正要素となっています。

著しい過失」となるものは、酒気帯び運転、時速15km以上30km未満のスピード違反、著しい左右前方の不注視など、「重過失」となるものは、酒酔い運転、時速30km以上のスピード違反、無免許運転、居眠り運転などが該当します。

交差点における自動車同士の交通事故

直進車同士の事故

交差点における交通事故は、信号機がある交差点か、信号機がない交差点の2つに分けることができます。

まず、信号機がある交差点では、車が進入した時点の信号によって基本的過失割合が決まります。次に、信号機がない交差点では、優先道路や幅員が明らかに広い道路から進入した車が有利になります。

それ以外の道路ですと、左から進入してくる車を優先する「左方優先の原則」や、一方通行違反・一時停止違反の有無が過失割合に大きく影響します。

信号機のある交差点での事故

信号機のある交差点の車同士の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
A車が青、B車が赤で進入 A0:B100
A車が黄、B車が赤で進入 A20:B80
A車が赤、B車が赤で進入 A50:B50

信号機のない交差点(同幅員の交差点)での事故

信号機のない交差点の車同士の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
左方車A、右方車Bが同程度の速度 A40:B60
左方車Aは減速せず、右方車Bは減速 A60:B40
左方車Aは減速、右方車Bは減速せず A20:B80

明らかに一方が広い道路の交差点における事故

道路の幅が違う交差点での車同士の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
広路車Aと狭路車Bが同程度の速度で進入 A30:B70
広路車Aと狭路車Bが同程度の速度で進入(見通しの良い交差点) A20:B80
広路車Aは減速せず、狭路車Bは減速して進入 A40:B60
広路車Aは減速、狭路車Bは減速せずに進入 A20:B80

一時停止規制がない直進車と一時停止義務違反車の事故

片方に一時停止線がある交差点の車同士の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
AとBが同程度の速度 A20:B80
Aが減速せず、Bは減速 A30:B70
Aが減速、Bは減速せず A10:B90
Aが徐行、Bは減速せず A0:B100
Bが一時停止し、Aを確認後に進入 A40:B60

直進車と右折車の事故

道路交通法において、交差点を右折する車は、直進する車の進行を妨げてはならないと規定されており、これを「直進車優先の法則」と言います。

しかし、直進車対右折車と言っても、同じ道路を対向方向から進入してきた場合と、同じ方向を進んでいた車同士で他方が左方から進入してきた場合では、状況は異なります。

そのため、それぞれのケースで、他のさまざまな要素を加味して過失割合を決める必要があります。

信号機のある交差点における直進車と右折車の事故

直進車と右折車の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
直進車A、右折車Bが共に青で進入 A20:B80
直進車Aが黄、右折車Bが青で進入し、黄で右折 A70:B30
直進車A、右折車Bが共に黄で進入 A50:B50
直進車A、右折車Bが共に赤で進入 A50:B50
直進車Aが赤で進入、右折車Bが青で進入し、赤で右折 A90:B10
直進車Aが赤で進入、右折車Bが黄で進入し、赤で右折 A70:B30
直進車Aが赤で進入、右折車Bが青矢印による右折可の信号で進入 A100:B0

信号機のない交差点における直進車と右折車の事故

交通事故の詳しい状況 過失割合
Aが直進、Bが右折 A20:B80

直進車と左折車の事故

直進車と左折車の交通事故とは、交差している道路から進入した左折車と直進車の交通事故を意味しています。優先道路や幅員が明らかに広い道路を除いて、交差点では直進車も徐行をする義務があります。そのため、徐行や減速をしていたかも、基本的過失割合を決める際に判断要素となります。

右折車同士の事故

交差点で右折をする際は、徐行をしつつ他の進入車両を注意する義務があります。そのため、右折する時に通常の減速が行われていたか、徐行をしていたかが基本的過失割合を決める際の判断要素となります。

左折車と対向車線の右折車の事故

交差点における優先関係は、右折車は直進車と左折車より優先度が低いため、対向車線の右折車の方が基本的過失割合が重くなります。

その基本的過失割合に、徐行・大回り・左折方法の違反の有無や、過失の有無といった事情を加味して過失割合を決めることになります。

右左折車と後続直進車(追越車)の事故

交差点で右左折しようとする車は、交差点の手前30mから合図を出し、その方向に可能な限り寄せるという義務があります。そのため、このケースの事故の場合、その義務を前提に状況ごとにさまざな事情を加味し、基本的過失割合を決めることになります。

T字型交差点における自動車同士の事故

T字型交差点も、直進路と突き当り路の間での優先の有無、幅員の違い、一時停止規制の有無などで基本的過失割合は10~20%程度異なります。

しかし、突き当り路から進入する車には、対向車線に注意する必要はありませんが、進入する際に徐行する義務があります。つまり、突き当り路から進入する車の方が、直進路から進入する車よりも、進入する際に払うべき注意は高くなるため、過失割合も重くなります。

T字型交差点での事故

T字交差点での事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
(同幅員の交差点で)直進車Aと右左折車B A30:B70
(一方が明らかに広い道路で)広路直進車Aと右左折車B A20:B80
(一方が優先道路である場合)優先道路の直進車Aと右左折車B A10:B90
(右左折車側に一時停止規制がある場合)直進車Aと右左折車B A15:B85

道路外出入車と直進車の事故

「道路外出入車」とは、道路外にある駐車場やガソリンスタンドなどと道路の間を出入りする車をさします。

このような交通事故の場合、道路外出入車の出入りする際の徐行の有無、合図の有無、車の頭を出して待機していたかなどの修正要素を、基本的過失割合に加味して責任を増減することになります。

直進車Aと道路外出入車Bの事故

直進車と道路の外から入ってきた車の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
路外からの車両Bが道路を横切って右方に進入 A20:B80
路外からの車両Bが左方に進入 A20:B80
車両Bが道路を右折して路外に出る A10:B90

対向車線における自動車同士の事故

反対車線にはみ出した方が基本的には100%責任を負うことになりますが、幅員が狭い道路や、センターラインがない道路における事故では、反対車線にはみ出していない車にも、前方不注視として10~20%程度の過失割合が加算される可能性があります。

ちなみに、一方の車が道路の外に出ようと右折するケース、道路外から反対の道路外へ出ようと横断するケース、Uターンして反対車線にはみ出したケースは、ここでは含まれません。

センターラインがある場合の事故

センターラインがある道路の対向車同士の接触事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
線内を走行するAとセンターラインをオーバーしたB A0:B100

センターラインがない場合の事故

センターラインがない道路の対向車同士の接触事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
あまり広くない道路の左側を走行するAと前方不注視により道路中央を超えたB A20:B80

同一方向に進行する自動車同士の事故

同じ方向に進行する車同士の交通事故には、主に3つのパターンがあります。それぞれのパターンを見てみましょう。

追越した車と追越された車の交通事故

基本的に、追越した車の方が責任が重くなりますし、追越禁止の道路や追越の危険な道路であった場合は、圧倒的に過失割合が高くなります。

「追越禁止の道路」は、道路標識などで追越が禁止されている道路、上り坂の頂上付近、急な下り坂や曲がり角付近、交差点や踏み切り、トンネルなどが該当します。

「追越の危険な道路」は、雨でスリップしやすい道路、見通しの悪い道路、歩行者・通行量の多い道路、凹凸が激しい道路や狭い道路などが該当します。

進路を変更した車と後続直進車の交通事故

ここでは、進路を変更した車が合図を出すなどの義務を守ったことを前提としたうえでの基本的過失割合になります。

そのため、進路を変更する前に合図を出していなかったり、事故現場が進路変更が禁止された道路であった場合は、過失割合が修正されます。

車線変更のときに起きた事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
進路変更をしたBに後続直進車Aが衝突 A30:B70

追突事故

走行している時の運転手には、交通事故を防ぐために、前方を注視する義務、車間距離を十分に保つ義務があります。そのため、原則として追突した車の方に100%の責任があります。

しかし、追突された車がやむを得ない理由もなく急ブレーキをかけたり、ブレーキランプが故障したりして追突した車にブレーキをする意思が伝わらなかった場合は、衝突された車にも過失があるとして、過失割合が修正されます。

事故当時を再現したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
やむを得ない理由もなく急ブレーキをかけたAにBが衝突 A30:B70
制動灯(ブレーキランプ)に故障があるAにBが衝突 A40~50:B50~60

転回車(Uターン車)と直進車の交通事故

Uターン車と直進車の交通事故は、同一方向に進行する自動車同士の交通事故とは、運転手の義務が異なるため、別の交通事故として考えられます。

このような交通事故の場合、Uターンの途中であるか、Uターンが終わっているかで扱われ方が異なります。しかし、他の車の妨害をするおそれがある場合は、Uターンは禁止されているため、いずれにしてもUターン車の方が過失割合は高くなります。

交通事故の詳しい状況 過失割合
道路上で転回(Uターン)したBに直進車Aが衝突 A20:B80

駐停車している自動車に対する追突事故

これは、道路に駐停車をしている自動車に、後ろから走行してきた自動車が衝突した交通事故です。道路交通法で駐停車禁止区域や、駐停車をする方法などの規定が定められていますが、違法駐車は後を絶たず、駐停車車両に対する追突事故は多発しています。

そこで、駐停車車両に対する追突事故の過失割合の基準が新たに定められ、追突した自動車が基本的に100%の過失割合を負うことになりました。しかし。駐停車禁止区域への駐車、非常灯滅灯をつけないといった過失が認められた場合は、追突した車両の過失が10~20%減算されます。

保険会社が提示してきた過失割合に納得がいかない場合は弁護士への依頼がおすすめです!

交通事故で被害者になった場合、どうしても過失割合に納得がいかないことがあると思います。そんな時は、保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは相談してみましょう。

【弁護士に過失割合の交渉依頼をするメリット】

・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
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