【人(歩行者) 対 四輪車(自動車)】の交通事故における過失割合

交通事故過失割合

車にひかれて倒れている被害者と車のイメージ写真

 

 交通事故における「車」には自転車、バイクも含まれる

 基本的に車のほうが過失割合が高い。
(仮に歩行者が信号無視をしても車の過失割合がゼロになることはほぼない)

 事故によって過失割合は決まっているが状況に応じて過失割合が変更される

交通事故における過失割合は、事故に遭った際の乗り物やぶつかった乗り物によって異なります。ここでは、人(歩行者) 対 四輪車(自動車)の交通事故における過失割合について説明していきます。

交通事故における「歩行者」「車」の定義

車椅子に乗っている人も歩行者として扱われることを指摘するイメージイラスト一般的には、歩いている状態の人のことを言いますが、交通事故における歩行者はもっと広い意味で使われています。

歩いている状態に限られず、道路に立っている人や、道路に横たわっている人、工事などで道路で作業している人、道路で遊んでいる状態、車椅子に乗っている状態でも「歩行者」になります。

「車」には自転車やバイクも含まれる

一言に車といっても、自家用車として使われている自動車だけではありません。通常の自動車に加え、自転車やバイク、原動機付自転車も交通事故における「車」には含まれています。

基本的に車の方が過失割合が高くなる

人と車が衝突して撥ねられているイメージイラスト歩行者と車が衝突する交通事故では、ほとんどのケースが車の方が過失割合が重くなります。これは、無防備な歩行者の方が、衝突によって受けるダメージが圧倒的に大きいためです。運転手には、歩行者に対して安全を図る義務が課せられているのです。

例えば、歩行者が信号機によって交通整理が行われていない横断歩道を渡っていた場合、車はいつでも停止できるよう義務付けられています。これを違反すると、車の過失割合は100になります。

歩行者の方が過失割合が高くなる場合もある

車より歩行者の過失割合の方が高くなることもあります。信号機によって交通整理が行われている横断歩道で、歩行者が明らかに赤信号を無視して交通事故が起こった場合、歩行者の方が過失割合は高くなります。

しかし、歩行者の方が弱い立場であるという観点から、歩行者70:車30と車の過失割合が0になることはほとんどありません

歩行者 対 自動車の事故における過失割合

信号機のある横断歩道で起きた事故

歩行者と直進車の交通事故

歩行者と自動車の交差点における過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
歩行者が青で横断開始、車が赤で侵入 歩行者0:車100
歩行者が黄で横断開始、車が赤で侵入 歩行者10:車90
歩行者が赤で横断開始、車が青で侵入 歩行者70:車30
歩行者が赤で横断開始、車が黄で侵入 歩行者50:車50
歩行者が赤で横断開始、車が赤で侵入 歩行者20:車80

歩行者と左右折車の交通事故

歩行者と左右折の自動車の交差点における過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
歩行者が青で横断開始、車が青で侵入 歩行者0:車100
歩行者が黄で横断開始、車が青で侵入 歩行者30:車70
歩行者が黄で横断開始、車が黄で侵入 歩行者20:車80
歩行者が赤で横断開始、車が黄で侵入 歩行者30:車70
歩行者が赤で横断開始、車が赤で侵入 歩行者20:車80

横断歩道のない道路で起きた事故

通常の道路で起きた事故

横断歩道のない道路での歩行者と自動車の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
歩行者が通常の道路を横断中、車が通過 歩行者20:車80

交差点で起きた事故

横断歩道のない交差点で起きた歩行者と自動車の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
歩行者が狭路を横断中、車が侵入 歩行者10:車90
歩行者が広路を横断中、右折車が侵入 歩行者10:車90

信号機のある横断歩道の直近で起きた事故

車が横断歩道を通過した後に起きた事故

横断歩道を過ぎた場所での歩行者と自動車の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
車が赤で直進、歩行者が青で横断開始 歩行者5:車95
車が赤で直進、歩行者が黄で横断開始 歩行者15:車85
車が赤で直進、歩行者が赤で横断開始 歩行者25:車75
車が黄で直進、歩行者が赤で横断開始 歩行者50:車50
車が青で直進、歩行者が赤で横断開始 歩行者70:車30
車が黄で右左折のために交差点に進入、歩行者が黄で横断開始 歩行者30:車70
車が黄で右左折のために交差点に進入、歩行者が赤で横断開始 歩行者40:車60
車が青で右左折のために交差点に進入、歩行者が青で横断開始 歩行者10:車90

横断歩道の手前で起きた事故

横断歩道の手前の場所での歩行者と自動車の事故の過失割合を示したイメージ画像

交通事故の詳しい状況 過失割合
歩行者が青で横断開始、車が赤で侵入 歩行者10:車90
歩行者が黄で横断開始、車が赤で侵入 歩行者20:車80
歩行者が赤で横断開始、車が赤で侵入 歩行者30:車70
歩行者が赤で横断開始、車が黄で侵入 歩行者50:車50
歩行者が赤で横断開始、車が青で侵入 歩行者70:車30

歩行者 対 車の事故における過失割合の修正要素

事故の状況によって過失割合は定められていますが、図中で示されている過失割合はあくまでも基本であり、事故が発生した時間帯や道路の見通しなど、事故の現場では考慮しなければならないさまざまな状況があります。

そのような事情を一つずつ取り上げ、基本の過失割合を増やしたり減らしたりして、加害者と被害者の公平を図ります。この過失割合に影響を及ぼす事情を「修正要素」と言い、交通事故の当事者どちらか一方にとって過失割合が増える修正要素を「加算要素」、過失割合が減る修正要素を「減算要素」と言います。

人(歩行者)の過失割合を増やす加算要素

歩行者側の過失割合を増やす修正要素を見てみましょう。

事故が夜間に発生した場合

夜の見通しの悪い道路のイメージ画像夜間は見通しの悪さなどから、車からは歩行者を発見しにくいですが、車はヘッドライトを点灯して走行いるので、歩行者は早くから車を発見することができます。そのため、夜間に起きた交通事故に関しては、歩行者に5%の過失割合が加算されます。

しかし、夜間と言っても、繁華街など夜間であっても明るく見通しの良い道路では加算要素となりませんし、車がヘッドライトを点灯せずに走行していた場合は、逆に減算要素となります。

事故が幹線道路で発生した場合

幹線道路とは、基本的に片側2車線以上の道路で、車道と歩道の区別がある通行量の多い国道を言います。

幹線道路は車の通行が頻繁である理由から、歩行者は通行や横断に特別な注意が必要になります。そのため、幹線道路で起きた交通事故に関しては、横断歩道上であれば5%、横断歩道以外であれば10%が、歩行者の過失割合に加算されます。

歩行者が車の直前直後を横断して事故が発生した場合

車の直前直後を横断することは、非常に危険であり禁止されています。そのため、歩行者の過失割合に対する加算要素となります。また、斜め横断や、横断中に急に立ち止まったり、後戻りをした場合も、歩行者の過失割合に加算されます。

人(歩行者)の過失割合を減らす減算要素

反対に、歩行者側の過失割合を減らす修正要素も見てみましょう。

事故が住宅街・商店街で発生した場合

住宅街は居住空間であり、商店街は人の通りが多いため、運転手はより多くの注意を払って走行する義務があります。これは、通勤時間帯に人が多い場所でも言えます。そのため、このような場所で交通事故が発生した場合、歩行者の過失割合は減算されます。

事故の歩行者が幼児・児童・高齢者・身体障害者などの場合

歩行者が自動車や高齢者である場合、車に対する危機感や注意力、事故を避ける能力が落ちるため、過失割合は減算されます。

歩行者が集団横断・集団通行をしていて事故が発生した場合

歩行者が集団で道路を横断していた場合、車から歩行者は早く発見することができます。そのため、被害者がたとえ一人であったとしても、歩行者の過失割合は減算されます。

車側に著しい過失・重過失があった場合

飲酒運転をして歩行者をはねた自動車の運転手のイメージ画像車の方に過失が認められると、その分が歩行者の過失割合から減ります。酒気帯び運転や携帯を操作しながらの運転は、著しい過失として歩行者の過失割合は10%程度減り、酒酔い運転や時速30km以上のスピード違反、居眠り運転、無免許運転などは重過失として歩行者の過失割合は20%程度減ることになります。

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い
酒気帯び運転 呼気アルコール濃度が0.15mg以上
酒酔い運転 呼気アルコール濃度に関係なく、酔って正常な運転ができない状態での運転

これらをまとめた総称が「飲酒運転」です。

歩道と車道の区別がない道路で事故が発生した場合

歩道と車道の区別がなくても、歩行者にとって生活道路であれば、運転者はより多くの注意を払って走行する義務があります。そのため、歩行者の過失割合は5~10%減算されます。 

保険会社が提示してきた過失割合に納得がいかない場合は弁護士への依頼がおすすめです!

交通事故で被害者になった場合、どうしても過失割合に納得がいかないことがあると思います。そんな時は、保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは相談してみましょう。

【弁護士に過失割合の交渉依頼をするメリット】

・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・通院中や入院中など、交通事故のダメージが残っているときでも、示談交渉を任せられるため、治療に専念できる。
・怪我をしている中で交渉にかかる精神的な負担も省ける。

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