交通事故直後は興奮状態にあるので怪我に気が付きにくい
怪我をしたらまずは総合病院か整形外科に
物損事故扱いにしたときの怪我の治療は手続きが面倒
交通事故に遭ってしまったけれど、病院はどこに行けばいいのか、どのように通院すればいいのか、その時は混乱してわからない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は交通事故直後でケガに遭ったらまずどこにいけばいいのか見ていくことにします。
目次
交通事故に遭ったら、無傷でも病院へ!
事故の翌日「骨折していると思わなかった」と驚く被害者も
突然あなたの身を襲うかもしれない交通事故。客観的にみれば、いつ被害者になってもおかしくないにもかかわらず、どこかで「自分は大丈夫」と考えがちです。このため、いざ交通事故に遭うと頭が混乱し、極度の興奮状態になります。
事故直後は興奮状態で判断力が低下している
その結果、ひどい痛みを感じるようなケガを負っても、判断力が鈍り、痛みを感じる余裕さえなく、無傷だと思い込んでしまう人が少なくありません。被害者の中には、事故の翌日病院で診察を受けたところ、複雑骨折していると診断され、そのまま入院した人もいます。
あるいは、極度の興奮状態にあるからこそ、普段どおりの生活をしようと無意識のうちに無理をする人もいます。また、むち打ち症などの症状の中には、実際事故後しばらく経ってから痛みが出てくるケースもあるので注意してください。
無用なトラブルを避けるためにも病院に行くことが大切!
交通事故はいつ遭遇するのかわからないため、通勤途中や待ち合わせ前など次の予定がある場合に事故に遭う人も多いでしょう。無傷だと判断できれば、なるべく予定を狂わせたくないと考えるのは無理のないことです。
しかし、被害者自身は冷静な判断ができず、脳の負傷のように外傷が目立たなければ周囲の人でもケガに気づかないことがあります。このため、自覚症状などがなくても、事故に遭ったならその日のうちにひとまず病院へ行くことをおすすめします。
後から病院に行くと事故と関係ないのでは、と疑われることも?
治療費などケガに関する保険金を受け取るには、病院で診断書を作成してもらう必要があります。これは、そのケガが事故によって生じたものであることを示す書類です。事故から数日後に作成された診断書を提出すると、事故と無関係に負ったケガではないかと保険会社に疑義を唱えられることがあるので、無用な衝突を避けるためにも病院へ行きましょう。
交通事故で病院へ行くときは、何科へ行けば良い?
自宅や職場の近くに総合病院がある場合には、事故直後に一度総合病院へ行くことをおすすめします。設備が充実しているので、必要な検査を行えないという事態にはなりにくいでしょう。また、保険会社と連携している病院が多いため、事故当日から治療費の窓口負担をしなくてよいケースもあります。
電話で交通事故に遭ったことを伝えて、その当日中に受診できるかをたずねると良いでしょう。
総合病院がなければ整形外科に
近くに総合病院がない場合には、整形外科へ行ってください。確かに行くべき病院はケースバイケースで、頭を強く打った自覚があるときには脳神経外科へ行くべき場合もあります。しかし、そういったケースの多くは整形外科のほかに別の病院にも行く必要があるので、整形外科へ行かなくてもいいわけではありません。
同じ病院で事故直後から症状固定までの治療経過を診断してもらったほうが後遺障害の等級認定でも有利に働くと考えられますので、まずは整形外科へ通院しましょう。
NGなのは治療の最初から整骨院にいくこと
一方、整骨院や接骨院に最初から行くことはやめてください。通常整骨院や接骨院には国家資格を有する医師がいないため、適切な治療や後遺障害診断書の作成ができません。その結果、事故直後の症状が明らかにならず、等級認定で不利に働くことがあります。
どこからいけばよいのかまとめ
1.総合病院があるなら総合病院に
2.総合病院がなければ整形外科へ
3.整骨院・接骨院に最初から治療させるのはNG
交通事故で病院へ行く際の3つの注意事項とは?
事故直後から保険会社が治療費を負担してくれるケースもある一方、事故直後の治療費は被害者自身が立て替えなければならないケースもあります。
インターネットで調べていると、「交通事故による通院は、第三者の行為による負傷に該当するため、健康保険を利用できない」といった記載を見かけるかもしれません。
交通事故でも健康保険は使える
しかし、国が交通事故の場合にも健康保険を利用できるとしているので安心してください。
被害者が立て替えた場合でも、必要かつ相当な限りで、治療費を加害者側に請求することができます。保険を利用するには診断書が必要となるため、診断書をもらえるように医師に忘れずに伝えてください。
物損事故扱いにしたときの治療について
注意しなければならないのが物損事故扱いのときに交通事故によるケガの治療をする場合です。
このとき保険会社から「交通事故によるケガではない」として治療費の支払いを渋られる可能性があります。あらかじめ相手方の保険会社に伝えてから病院へ行くのが良いでしょう。
人身事故証明書入手不能理由書を提出すると、保険会社が治療費の支払いに応じてくれることもあります。
豆知識:人身事故証明書入手不能理由書 |
---|
物損事故として届けた事故を人身事故に変更する書類。人身事故だと理解していながら故意的に物損事故として届けた場合は提出不可。 |
注意事項
1 健康保険を使用する際は医師の診断書の提出が必要
2 物損事故扱いの怪我の治療は相手保険会社に伝える
3 物損の場合は人身事故証明書入手不可能理由書を提出する
まとめ・人身(人損)事故の場合は通院必須!?
外傷がある場合はもちろん、一見するとケガがないように思えても病院には行くようにしてください。特に人身事故の場合には必ず行ったほうが良いといっても過言ではありません。また、病院へ行ったなら診断書をもらうのを忘れないでください。
診断書は実際に通院費用がかかったことを示す重要な書類なので、ほとんどのケースで保険会社から提出を求められます。交通事故に遭ったら自己診断せずに、その日のうちに病院へ行くようにしましょう。
ケガの治療費を保険会社へ請求するにあたり、交渉を有利に進めたい場合は弁護士への依頼がおすすめです!
交通事故でケガを負った場合、保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは弁護士へ相談してみましょう。
【交通事故の示談を弁護士に依頼するメリット】
・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・相手方に請求する示談金を増額させることができる。
・通院中や入院中など、交通事故のダメージが残っているときでも、示談交渉を任せられるため、治療に専念できる。
↓ ↓ ↓
交通事故の被害者に関連する記事はこちら
「障害等級」は労災保険・自賠責保険・年金、それぞれ審査が別、互換性なし 障害基礎年金を判断するうえで一番重要なのは初診日の時点で年金…
「事故直後」は加害者側の情報確認が非常に大事(氏名、連絡先、車のナンバー、契約保険会社など) 事故後は警察への連絡は必須、治療にどの…
通勤中や勤務中に交通事故に遭うと労災保険を使用できる 労災保険には被災後のアフターケア制度がある 労災保険より先に健康保険を使って…
基本的には交通事故➡症状固定➡示談開始の流れ 損害賠償金を確定させてからの方が双方ともに納得しやすい 示談そのものは双方が納得すれ…
事故の治療と回復に因果関係がある場合、医師への謝礼が損害賠償として含まれるケースがある 適用されるのは医師への謝礼のみであり、接待費…