交通事故の被害者が医師への謝礼を損害として加害者に賠償請求することが可能なの?

公開日:2016/01/06
最終更新日:2018/06/29

235人が閲覧しました

交通事故加害者損害賠償治療

交通事故の担当医師にお礼を渡そうとしている女性のイメージ画像

 

 事故の治療と回復に因果関係がある場合、医師への謝礼が損害賠償として含まれるケースがある

 適用されるのは医師への謝礼のみであり、接待費などは認められない

 医師への謝礼を渡す必要性がないと賠償請求としては難しい

ナビ夫
交通事故に遭った人の中には、「この先生がちゃんと診てくれたおかげで怪我が早く治った!」「この病院でよかった」と思う人もいるのではないでしょうか。お世話になった先生にお礼を渡したいと感謝の気持ちを謝礼として渡したいのは当然。それにこの謝礼も事故に遭わなければ出すこともない費用でもあります。この費用は加害者に請求できてしまうのか見ていきたいと思います。

医師への謝礼は賠償の対象となるのか

りんね
うーん。こういうお金って普通請求できないよねー。でも例とか見ると、請求できちゃうみたいだし、なんて返事しよう

アシスト爺ちゃん
どうしたんじゃ。そんなにうんうん唸って

りんね
あ、お爺ちゃん! あのね、来週事故に遭って入院していた先輩が無事退院するんだけど、予定より早く治療できたみたいだから、担当の先生にお礼を渡したいっていうんだけどね。

アシスト爺ちゃん
ふむ、早く完治できたことは素晴らしいことじゃな。

りんね
だけど、先輩のおばさんがケチで、そのお礼のお金も事故の加害者に請求してやればいいって言ってて、先輩のおじさんがさすがにそれは無理だよって説得してるみたい。それで喧嘩始めちゃって、助けてほしいってメールが来てさー

アシスト爺ちゃん
なるほどのぅ。普通なら請求は難しいことじゃが、お前の見ている本の例にあるように、請求が認められる例もあるんじゃよ。じゃがその為にはある条件が必要じゃ。

交通事故における損害賠償は、ケガの治療そのものにかかった費用に対してのものであり、治療を担当した医師への謝礼は、損害賠償には含まれないと考えてしまいがちです。

必要なのは因果関係

しかし、交通事故によるケガが医師の的確な治療により、回復までの期間が通常より短く済んだなどの事情があった場合、被害者が医師にお礼をしたいと考えるのは自然なことです。また、早期に治療が済んだことにより、治療費や通院の際の交通費などの費用が通常より少なくなるため、加害者側の負担も軽減されることになります。

つまり、的確な治療と早期の回復の間に、直接の関係がある、つまり因果関係が認められた場合には、医師への謝礼も損害賠償の一部として認められることがあります

・医師による適切な治療のおかげで予想以上に回復できた、
早く退院できた=この早い完治はこの医師でなければ無理だった
・医師のおかげで一命をとりとめた=医師が適切な処理をしてくれなければ自分は死んでしまっていた

というような関連や因果関係があれば、損害賠償の中に医師へのお礼も含まれる。

損害賠償として認められる金額の相場

プレゼントのイメージ画像裁判所においても、医師への謝礼は社会通念上で妥当な金額である限り損害として認める傾向にあります。ちなみに、社会通念上で妥当な金額としては、数千円~数万円程度です

しかし、入院中の見舞い客に対してのお礼や快気祝い、接待費などについての費用は、ケガを負ったことにより必要となる費用とは考えづらいため、損害賠償として認められません。

損害賠償として認められない場合も

ダメだといわれてしまうイメージ画像一般的には、妥当な範囲であれば認められている医師への謝礼ですが、裁判で認められなかった例もあり、必ずしも認められるとは限りません

認められなかった理由としては、「そもそも謝礼とは、被害者が感謝の気持ちを表現するものであり、その気持ちを損害賠償として加害者に請求するのはおかしい」といった意見や「公的機関の医師が謝礼を受け取ることは、賄賂を受け取ることであり、それを認めるのはおかしい」などの加害者側の意見が認められたケースです。

りんね
認められる場合も認められない場合もその内容次第なんだね。一番大切なのは事故と治療の結果の関係性なんだ。証明するのが大変そう。

謝礼を渡す必要性の証明が求められる

謝礼のイメージ画像しかし、担当医師のお陰で一命を取り留めることができた場合や、担当医師が被害者の為に医療機関を探し、その結果ケガが早く完治した場合などは、損害内容として謝礼が認められる可能性は高いです。

加害者側の保険会社の立場としては、保険金を少しでも減らしたいという気持ちが当然あるので、示談交渉の際に、医師への謝礼を損害として認めるどうかについて、否定的な意見を主張してくる可能性はあります。そのため、謝礼を損害賠償として請求する場合、謝礼の必要性を主張できるようにしておくことが大事です。

アシスト爺ちゃん
医師への謝礼を損害賠償に含める場合は、「どうして謝礼を渡す必要があるのか」「この医師の治療方法と怪我の治癒の関係性の証明」が必須になってくるから、請求する際は証拠もそろえておくとより認められやすいぞい。

まとめ・医師への謝礼は損害賠償として請求できるケースもある

医師と会話する被害者のイメージ画像

医師への謝礼は果たして損害賠償に含まれることができるのか―――こちらを今回は見てきました。基本的にすべてケースバイケースで、事故と治療の因果関係が立証されれば損害賠償として認定されやすい出費といえます。

ですがだからといって全部全部損害賠償として認められるはずもなければ、認められたからと言って金額も十万単位のものを渡すのは常識的に考えておかしいといえます。
また、加害者側の保険会社も余計な出費や保険料を払いたくないという気持ちがあるため、「それはおかしい」といった意見を提示してくることは大いにあり得ます。その為、もし謝礼金を損害賠償に含める話の場合は、その謝礼金の存在意義をきちんと立証できるようにしておきましょう。

ケガの治療費を保険会社へ請求するにあたり、交渉を有利に進めたい場合は弁護士への依頼がおすすめです!

弁護士と裁判のイメージ画像

交通事故でケガを負った場合、保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは弁護士へ相談してみましょう。

【交通事故の示談を弁護士に依頼するメリット】

・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・相手方に請求する示談金を増額させることができる。
・通院中や入院中など、交通事故のダメージが残っているときでも、示談交渉を任せられるため、治療に専念できる。

↓  ↓  ↓

交通事故被害による治療に関連する記事はこちら

通院している被害者のイメージ画像 交通事故で症状固定から示談までにかかる期間は短縮できる?|交通事故の慰謝料問題を解決 交通事故後遺障害慰謝料症状固定示談

   基本的には交通事故➡症状固定➡示談開始の流れ  損害賠償金を確定させてからの方が双方ともに納得しやすい  示談そのものは双方が納得すれ…

交通事故でケガをしたら何科を受診すべき?通院のポイントも含め徹底解説! 交通事故保険被害者通院治療

   交通事故直後は興奮状態にあるので怪我に気が付きにくい  怪我をしたらまずは総合病院か整形外科に  物損事故扱いにしたときの怪我の治療は…

交通事故での治療中、保険会社が「症状固定」と言ってくる2つの理由とベストな対処法 交通事故弁護士後遺障害症状固定通院治療

ケガの程度によってはどれだけ治療を続けても元通…

後遺障害等級認定の申請が通りやすい交通事故の後遺障害診断書の書き方 5つのポイントを解説 交通事故弁護士後遺障害慰謝料症状固定診断書

ケガの程度によってはどれだけ治療を続けても元通…

シェアする