基本的に自動車のほうが過失割合が高くなる
赤信号で交差点直進の事故以外はほぼ車の割合が高い
スピード違反や改造車、酒気帯び運転などをしていると過失割合に修正が入る
交通事故に遭った場合の過失割合はその事故の状況、状態によって変動します。それは乗り物同士でも変わりませんが、種類によって異なります。
そこで今回は交通事故における車同士のなかでも、単車(バイク) 対 四輪車の交通事故における過失割合について説明していきたいと思います。
目次
単車(バイク) 対 四輪車の交通事故における過失割合
バイクは自動二輪の他に、原動機付自転車も含まれます。四輪車は通常の乗用車や運搬車として使用される四輪車に加え、三輪の自動車や、四輪以上の大型トラックも含まれます。
バイク | 自動二輪・原動機付自転車 |
四輪車 | 乗用車・運搬用四輪車・大型トラック・三輪自動車 |
基本的に四輪車の方が過失割合が高くなる
バイクの運転手は、物理的に身体が防護されていないため、バイクと四輪車の交通事故では、バイクの方が人身損害が大きくなります。そのため、バイク側の保護のために、四輪車側の方が過失割合が重くなります。
また、バイクは危険を感知してもそれを回避する措置がとりにくく、その点も交通事故が衝突の場合は考慮して基本的過失割合が決められることになります。
単車(バイク) 対 四輪車の交通事故における過失割合
交差点における直進車同士の出会い頭の交通事故
信号機のある交差点における直進車同士の出会い頭の事故
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
バイクAが青、四輪車Bが赤で進入 | A0:B100 |
バイクAが赤、四輪車Bが青で進入 | A100:B0 |
バイクAが黄、四輪車Bが赤で進入 | A10:B90 |
バイクAが赤、四輪車Bが黄で進入 | A70:B30 |
バイクAが赤、四輪車Bも赤で進入 | A40:B60 |
信号機のない交差点(同幅員の交差点)における直進車同士の出会い頭の事故
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
左からくるバイクAと四輪車Bが、同程度の速度 | A30:B70 |
左からくるバイクAは減速し、四輪車Bは減速せず | A15:B85 |
左からくるバイクAは減速せず、四輪車Bは減速 | A45:B55 |
右からくるバイクAは減速し、四輪車Bは減速せず | A35:B65 |
右からくるバイクAは減速せず、四輪車Bは減速 | A60:B40 |
同じ道路を対向方向から進入した右折車と直進車の事故
信号機のある交差点における右折車と直進車の事故(四輪車が右折)
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
バイクAは青で直進、四輪車Bも青で右折 | A15:B85 |
バイクAは黄で直進、四輪車Bは青で交差点に進入し、黄で右折 | A60:B40 |
バイクAは黄で直進、四輪車Bも黄で右折 | A40:B60 |
バイクAは赤で直進、四輪車Bも赤で右折 | A40:B60 |
バイクAは赤で直進、四輪車Bは青で交差点に進入し、赤で右折 | A80:B20 |
信号機のある交差点における右折車と直進車の事故(バイクが右折)
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
バイクAは青で右折、四輪車Bも青で直進 | A70:B30 |
バイクAは青で交差点に進入し、黄で右折、四輪車Bは黄で直進 | A25:B75 |
バイクAは黄で右折、四輪車Bも黄で直進 | A40:B60 |
バイクAは赤で右折、四輪車Bも赤で直進 | A40:B60 |
バイクAは青で交差点に進入し、赤で右折、四輪車Bは赤で直進 | A10:B90 |
直進車と道路外から出入した車の事故
直進するバイクと道路外からきた四輪車の事故
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
路外からの四輪車Bが道路に進入 | A10:B90 |
路外からの四輪車Bが一方車線を横切って他車線に進入 | A10:B90 |
直進する四輪車と道路外からきたバイクの事故
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
路外からのバイクBが道路に進入 | A30:B70 |
路外からのバイクBが一方車線を横切って他車線に進入 | A30:B70 |
同じ方向を進行するバイクと四輪車の事故
四輪車が進行変更をして起こった事故
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
進路変更をした四輪車Bと後続のバイクAが衝突 | A20:B80 |
バイクが進路変更をして起こった事故
交通事故の詳しい状況 | 過失割合 |
---|---|
進路変更をしたバイクBと後続の四輪車Aが衝突 | A40:B60 |
バイク 対 四輪車の事故における過失割合の修正要素
交通事故が起きる場合によく見られる過失は、既に基本的過失割合に盛り込んであります。具体的には、左右前方に対する安全確認の怠慢、信号待ち後に発進する際の安全確認の怠慢、危険発見後にするべき衝突回避の怠惰などが挙げられます。
これ以上の注意義務違反は、過失の程度に応じて「著しい過失」と「重過失」に分けられ、基本的過失割合に対する5~20%の修正の対象となります。それぞれ具体的な例を見てみましょう。
基本的過失割合に対する修正要素:著しい過失
酒気帯び運転、時速15km以上30km未満のスピード違反、バイクが改造されていた場合が該当します。
また、バイクの運転手と便乗者は、ヘルメットの着用が義務付けられています。そのため、ヘルメットを着用しておらず、人身損害が拡大した場合は、著しい過失として修正要素となります。
著しい過失 |
---|
|
基本的過失割合に対する修正要素:重過失
酒酔い運転、時速30km以上のスピード違反、無免許運転、危険な体勢での運転が該当します。
重過失 |
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|
この著しい過失と重過失の他にも、一時停止規制の違反や徐行義務違反など、交通事故の現場の具体的な状況によって過失割合は修正されます。
まとめ・交通事故におけるバイクと自動車の過失割合
バイク対自動車の交通事故における過失割合についてみてきました。
バイクは自動車に比べて物理的にも安全とは呼べず、事故の際は被害も大きくなりやすいです。そのため、過失割合は基本的には自動車の方が高くなります。しかし、バイクの運転手も運転や状態によっては、過失割合が修正され加算されます。
このような事故が起きないよう、安全運転を心掛けることが一番重要であり、無理をせず交通ルールに則った運転をしましょう。
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