交通事故の示談前に加害者側に損害賠償請求をする3つの方法を徹底解説!

公開日:2018/02/02
最終更新日:2018/08/06

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交通事故に遭った被害者が支払う金額のイメージ画像

 

 示談前に損害賠償する場合は賠償金の先払いが必要

 仮渡金と内払金と被害者請求がある

 治療費の一括対応がストップする可能性がある

ナビ夫

交通事故に遭った被害者は治療費などのお金を支払うことになります。いくら損害賠償金があるとはいえ、先にほしいと思ってしまう人は多いはず。

また損害賠償金は基本的に示談交渉の結果で決まるものですが、示談より先にもらうことはできるのでしょうか。そこで今回は示談交渉前に損害賠償金をもらえる方法についてみていくことにします。

慰謝料を受け取るのは「示談成立後」が基本

交通事故に遭って出費がかさんで悩む被害者のイメージ画像

りんね
交通事故に遭ったらいろいろと出費がかさむんだね。
アシスト爺ちゃん
そうじゃのう、被害者は巻き込まれただけで何も悪くないことが多いのに、皮肉なもんじゃ。
りんね
お金がない人は治療を諦めるしかないの?
アシスト爺ちゃん
いやいや、医者の指示に従って治療を続けんといかん。保険会社が治療費を立て替えてくれん場合にも仮渡金請求などの被害者請求があるから利用すべきじゃ。

交通事故に遭ったら、医師の指示に従い怪我の治療を行いつつ、必要に応じて事故の資料収集や保険会社との示談交渉をします。

治療費なら保険会社から医療機関に直接支払われるケースがありますが、多くのケースにおいて慰謝料が支払われるのは示談成立後です。

慰謝料の先払いが無いと立ち行かなくなる被害者も……

重大な事故で後遺障害の残る可能性がある場合には慰謝料が支払われるまでに6カ月から1年ほどかかることもあるので、被害者の中には一時的に、経済的に苦しくなる人もいます。

交通事故によって仕事を退職せざるを得なくなったときなど一時金が支払われなければ事故後最低限の生活さえできず、命に関わることさえあるのです。

▼詳しい流れはこちら

示談前に費用を請求する方法1.内払金

内払金制度の為に費用を計算する被害者のイメージ画像

かつて示談前に費用を請求する方法として、2008年9月30日まで内払金制度がありました。

この制度は、傷害事故で治療が長引き、病院の治療費や入院費、休業損害が10万円を超えたときに一時金を支払ってくれるものでした。

請求するには10万円を超えたことを証明する診断書の提出を求められましたが、自賠責保険における傷害事故の慰謝料の上限120万円に達するまで、何度でも請求することができました

なお、死亡事故の場合は、損害額が即時に確定するので、この制度の適用はありませんでした。

内払金制度のまとめ
  • 治療費が10万円を超えると一時金を支払ってくれる制度
  • 10万円超えを証明する診断書を提出する
  • 自賠責保険の上限(120万円)まで何度も請求可能
  • 現在はこの制度は無し

示談前に費用を請求する方法2.仮渡金請求

先に支払ってもらうお金のイメージ画像

内払金制度によく似た制度で、2018年1月時点で存在するものとして「仮渡金(かりわたしきん)制度」が挙げられます。

この制度は、将来支払われる損害賠償金の一部を前もって自賠責保険会社に対し請求するものです。あくまでも一時金であるため支払金額は少なく、たとえば死亡者1人につき290万円が支払われます(自動車損害賠償保障法17条1項、自動車損害賠償保障法施行令5条)。

傷害事故の場合には、程度に応じて5万円、20万円、40万円を請求できます。仮渡金制度を利用できるのは人身事故に限られており、物損事故の場合には請求できません。治療が長引くときには足りないケースが多いでしょうが、内払金制度と異なり、同一事故では1度しか受け取れません

仮渡金制度のメリット・デメリット

仮渡金制度のメリットとしては、お金がすぐさま必要であるときに加害者の承諾を要せずにお金をもらえる点です。請求後約1週間で支払ってもらえます。

反対にデメリットとしては手続きが煩雑である点が挙げられます。さらに、保険会社が一括対応をして病院治療費を医療機関に直接支払っている場合には、仮渡金制度を利用することで一括対応が解除されることがあるので注意してください。

通常、仮渡金制度利用後に再開してもらえますが、解除から再開までの期間の治療費を一時的に自分で負担しなければなりません。

仮渡金のまとめ
  • 将来支払われる賠償金の一部を先払いする制度
  • 請求後1週間で支払われる
  • 一度しか請求できず、人身事故のみに適用
  • 必要資料を取り寄せて提出など手続きが面倒

仮渡金を受け取るまでの手順

仮渡金を請求するには、まず相手方の自賠責保険に連絡して請求書や事故発生状況報告書などの必要書類一式を取り寄せます。相手方の自賠責保険会社は、自動車安全運転センターで発行してもらえる交通事故証明書に記載されています。そのほか、印鑑証明書や戸籍謄本などを自ら用意して提出します。

りんね
内払い金とは違って、必要な書類を取り寄せなくちゃいけないのね。一度しかできないってなると足りなくなる可能性もあるし一番高い金額を請求したくなるなぁ。

示談前に費用を請求する方法3.被害者請求

被害者請求とは?

仮渡金制度は被害者が自ら加害者の保険会社に損害賠償金を請求する被害者請求の一種です。被害者請求は、自動車損害賠償保障法16条に基づくため、「16条請求」とも呼ばれています。

被害者請求のメリット・デメリット

メリット・デメリットを考える被害者のイメージ画像

被害者請求をすると示談をしなくても、自賠責保険の限度額まで受け取ることができるので、お金の心配がなくなるはずです。

示談を急がなくても良くなる分だけ不利な条件で示談をさせられる可能性は低くなるでしょう。

デメリットとしては、手続きが煩雑である点が挙げられます。また、被害者請求をすると保険会社による一括対応は解除されます

被害者請求のまとめ
  • 示談をせずに保険の限度額まで受け取れる
  • 手続きが煩雑で面倒
  • 保険会社による一括対応がなくなる
  • 支払いまで1ヶ月以上かかる

被害者請求の流れ

必要書類一式を加害者の自賠責保険会社に提出すると、自賠責損害調査事務所による調査が行われます。

その調査結果を踏まえて支払額が決定されて保険金が支払われます。後遺障害のある場合には1カ月~2カ月かかることもあります

▼被害者請求についてはこちら

事案ごとに適切な対応は異なる!迷ったら弁護士に相談を

被害者の味方の弁護士のイメージ画像

交通事故に遭うと入院費や治療費、雑費などで何かとお金が必要です。当座の資金を補うための制度として仮渡金制度があります。

これはあくまで一時的な支払であるため、必要に応じて被害者請求をすることになるでしょう。ただし、治療費を保険会社が支払っているならば、一括対応を解除してもよいかについても考えなければなりません。

事案ごとに適切な対応は異なるので、わからなければ法律のプロである弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故の被害者になったら弁護士特約の利用をおすすめします!

被害者を待つ弁護士のイメージ画像

交通事故で怪我を負った場合、弁護士特約が利用できると、費用の負担なしで弁護士に対応を依頼することが可能です。

依頼を行う弁護士は自分自身で選ぶことも可能です。保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。

初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、被害者になったらまずは自分が契約している保険会社に弁護士特約が使えるかどうかを確認し、利用可能な場合は弁護士へ相談してみましょう。

【弁護士特約を使って弁護士に依頼するメリット】

・費用の負担をせずに弁護士に依頼ができる。
・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、  有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・怪我をしている中で交渉にかかる心理的な負担が省ける

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