相談費用が掛からない弁護士事務所に行く
弁護士費用特約を利用する
法テラスの制度を使う
交通事故に遭って損害賠償を請求するために弁護士に依頼したいと思う人は多いかと思います。しかし、弁護士の依頼を尻込みしてしまう最大の原因が「弁護士にかかる費用が高い」ということです。
弁護士に相談すると費用が高くつくイメージがあり、相談したくても躊躇してしまいがちですが、相談料を無料にできる方法があるのです。今回はその方法について教えたいと思います。
目次
弁護士に依頼する際の費用は“相談料”“着手金”“報酬金”の合計金額
一般的に、弁護士に何らかの事件を相談・依頼すると、初回の相談料、弁護士が事件に着手する際に支払う着手金に加えて、事件を解決した際に支払う報酬金を渡す必要があります。
そのほか、事案の内容によって実費(交通費)・日当や手数料を請求されることがあります。
弁護士数の増加に伴い、2004年に弁護士報酬が自由化されて弁護士と依頼者の間で自由に報酬を決められるようになりました。
しかし、2004年以降も多くの弁護士事務所が弁護士費用が自由化される前に一律で決められていた「報酬等基準規程」を参考に報酬を決めています。
交通事故に関して弁護士に依頼する平均費用
交通事故の後処理(示談など)を弁護士に依頼した場合、通常、相談料として1時間あたり5,000円~25,000円、着手金として200,000~300,000円(事務所によっては無料)、報酬金として元々の提示された金額から弁護士介入によって増えた金額の10~20%を支払います。
日弁連が実施したアンケート調査によると、保険会社から500万円の賠償額が提示されていたところ、弁護士が介入して賠償額を1,000万円にできたという事例の弁護士費用の相場は80万円でした。
その内訳は着手金30万円、報酬金50万円です。交通事故の場合、被害者救済の観点から、多くの弁護士が着手金を低めに設定しています。
例.500万円の賠償を1000万円に増額回収出来た場合の報酬金は80万円だった | |
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増額差額 | 5,000,000 |
報酬金は増額差額の10~20% | 500,000 |
着手金 | 300,000 |
被害者が受け取ったお金 | 9,200,000 |
弁護士によって費用はまちまちなので注意
また、報酬金は最終的に得た保険金の金額から保険会社のもともとの提示額を引いた額をもとに算定する弁護士が多いといえます。
しかし、実際に必要となる弁護士費用は事案によって異なるので、法律相談の段階で弁護士に費用の見積をしてもらいましょう。
複数の弁護士に見解や金額を聞いてから、実際に弁護士に依頼するかどうかを決めることも可能です。
ただし、見積書作成を有料としている弁護士事務所もあるので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
法律の相談料を無料にする方法とは?
交通事故の示談交渉などを弁護士に相談しようと思っても、30分~1時間の相談で5,000~25,000円もかかるため相談することを渋る被害者がいるのも事実です。
相談するために時間を割き相談費用もし払ったのに、納得できる結果が得られずに「弁護士に相談しても無駄だった」と感じては元も子もありません。
しかし、弁護士に相談する際の相談料を無料にできる方法が3つあります。
弁護士への相談料を無料にできる“3つ”の方法 |
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法律相談料0円の弁護士事務所に相談する |
弁護士費用特約を使う |
法テラスを活用する |
方法1 法律相談料0円の弁護士事務所に相談する!
交通事故に突然巻き込まれて治療費など突然の出費がかさむ被害者の立場に考慮して、相談料を無料に設定している弁護士事務所が増えてきています。
弁護士へ相談する際は、相談内容の守秘義務を守るために相談者が弁護士事務所に出向くパターンが多いです。
しかし、仕事などの理由で弁護士事務所が営業している平日や日中に相談することが難しい人の為に、夜間対応や休日対応の相談を行っている事務所もあります(要予約)。
方法2 弁護士費用特約を使う!
任意保険に付けられる特約のひとつで、年間2,000円程度の保険料でいざというときに弁護士費用を負担してもらえる弁護士費用特約。
この特約を利用すると、1つの事故につき300万円までの弁護士費用、10万円までの法律相談料を保険会社に負担してもらうことができます。
ただし、あくまで任意保険の特約なので、弁護士費用特約をつけていない、もしくは自賠責保険しか入っていない人は使うことができません。
弁護士費用特約は、法律相談料だけでなく着手金も実質0円にすることができます。
弁護士費用特約が使える事務所などを保険会社がきちんと把握していないケースもあるので、相談する弁護士事務所に弁護士費用特約を利用できるかどうかを尋ねてみてください。
方法3 法テラスを活用する!
日本司法支援センター(通称:法テラス)では、経済的に余裕のない人のために30分程度の法律相談を3回まで無料で行う法律相談援助の業務を行っています(要予約)。
月収や保有資産が一定額以下であるなどの要件を満たす必要がありますが、無料で弁護士に相談することができます。
また、法テラスでは民事法律扶助と呼ばれる弁護士費用の立て替え事業を行っています。
この制度はあくまで立て替え制度なので、後々返済しなければなりませんが、多額の費用を一括払いしなくて済む分、精神的な負担が少ないといえるでしょう。
弁護士への相談をスムーズに行うためには、事前の準備が大切!
無料で弁護士に相談できる場合でも、弁護士への相談が単なる“お悩み相談室”になっては本末転倒です。
弁護士への相談が法的トラブルを解決するためにきちんと機能するよう、弁護士事務所に行く前にいくつか準備をしておきましょう。
相談へ行く前に現在の状況や質問点をまとめておく
まず、保険会社や加害者との交渉経緯や治療経過など、現在の状況を簡単にメモに書き出しておきます。
また、不安な点があれば、弁護士に相談したい事柄としてまとめておくことをおすすめします。最低限、必要な弁護士費用については尋ねましょう。
Q:何故状況を整理してまとめる必要があるの? |
A:弁護士は依頼者から提出された「資料」「情報」を中心柱にするからです。 |
弁護士の質問には正直に答えるべし
弁護士は依頼者からの情報を頼りに交渉の見通しなどを把握するので、依頼者が不利な情報を隠してしまうと適切に事案を把握することができなくなります。
弁護士が依頼者の不利な事情も踏まえて保険会社と交渉するためには、依頼者が弁護士を信頼して事実を包み隠さずに伝えることが大切です。
このため、弁護士から答えにくい質問をされた場合でも正直に答えてください。実際に相談してみて、その弁護士を信頼することができないならば、別の弁護士に相談することもおすすめです。
また、可能であれば依頼者の言い分を裏付ける証拠(診断書、損傷した車の写真など)を持参してください。
弁護士に相談をスムーズに行うためのポイント |
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・事前に、自身の現在の状況を書き出しておく ・自分に不利な情報があっても、包み隠さず正直に伝える ・弁護士を信頼できないと思ったら、弁護士を変える勇気を持つ ・診断書、写真などの証拠も持参する |
弁護士費用を抑える3つの方法についてのまとめ
弁護士に依頼するには一般に法律相談料、着手金、報酬金が必要です。弁護士費用特約を利用できる場合には実質0円で弁護士に相談できるため、まず弁護士費用特約の有無を確認しましょう。
交通事故では法律相談料や着手金が無料または低額に設定されているケースも多いので、気になる弁護士事務所の報酬体系を確認してください。
また、いくつかの要件を満たす必要がありますが、法テラスの活用もおすすめです。
いずれの場合も、弁護士への相談がトラブル解決の場となるよう、弁護士に相談する前に事故の経緯や相談内容をまとめておきましょう。
交通事故の被害者になったら弁護士特約の利用をおすすめします!
交通事故で怪我を負った場合、弁護士特約が利用できると、費用の負担なしで弁護士に対応を依頼することが可能です。依頼を行う弁護士は自分自身で選ぶことも可能です。
保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することによって、治療費や慰謝料などの示談金を増額できるケースがあります。
初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、被害者になったらまずは自分が契約している保険会社に弁護士特約が使えるかどうかを確認し、利用可能な場合は弁護士へ相談してみましょう。
【弁護士特約を使って弁護士に依頼するメリット】
・費用の負担をせずに弁護士に依頼ができる。
・専門知識が必要な示談交渉を弁護士に任せることにより、有利かつスムーズに示談交渉を進められる。
・怪我をしている中で交渉にかかる心理的な負担が省ける。
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