交通事故の被害者が行う後遺障害等級の申請と異議申し立ての手続きについて徹底解説!

公開日:2017/05/23
最終更新日:2018/08/03

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交通事故弁護士後遺障害慰謝料症状固定被害者

後遺障害になった人の面倒を見る人のイメージ画像

 

 後遺障害等級の申請方法は事前認定と被害者請求の二つがある

 被害者請求は被害者が資料も提出も全て行うが、事前認定に比べて後遺障害等級に認定されやすい

 後遺障害等級の異議申し立てをする場合は理由の分析と後遺症を裏付ける証拠と資料を集めてから行う!

ナビ夫

交通事故に遭い治療をしても後遺症が残ってしまうケースがあります。このような時、被害者は後遺障害等級を申請し、認定されれば後遺障害慰謝料が手に入ります。そして後遺障害等級の申請手続きには、「事前認定」「被害者請求」の2つの方法があるのです。

今回は二つのうち、被害者が自分で手続きをしなければならない被害者請求の流れや書類、もし申請が通らなかった場合の異議申し立ての方法について説明します。

後遺障害等級の申請方法の流れ

りんね
おじいちゃん! 今回はえーと……後遺障害等級の申請について教えてくれるんだよね!

アシスト爺ちゃん
そうじゃな。後遺障害等級の申請には主に二つあるんじゃ。事前認定と、以前損害賠償請求でもやった被害者請求の二つじゃ。被害者請求を覚えておるか?

りんね
う、うん! 被害者が直接加害者に請求するのだよね? 書類も自分で集めるから加害者請求に比べてかなり面倒なんだっけ。じゃあ事前認定とは何が違うの?

アシスト爺ちゃん
事前認定は任意保険会社が全部やってくれるんじゃ。だから自分で書類をそろえなくても済むんじゃよ。

りんね
ふーん。でもそうなると事前認定のほうが楽だよね。任せちゃえばいいんだし。

アシスト爺ちゃん
いや、実はそうとも限らないんじゃ。よくよく見ていくと、メリットの多さから被害者請求のほうが後遺障害等級の申請はおすすめなんじゃよ。

交通事故で怪我をして治療を続けても治らず後遺症が残ってしまうケースがあります。後遺症が残った被害者は後遺障害等級を申請し、認定されることで加害者側の保険会社から等級に応じた後遺障害慰謝料を受け取ります

そしてこの後遺障害等級の認定方法には事前認定被害者請求の二つが存在します。

このうち、被害者請求とは、加害者側の自賠責保険会社に対して、被害者が後遺障害等級認定を直接申請する方法です。そのため被害者自身が必要な書類を集めて提出しなければなりません。

加害者が任意保険に加入していない場合や、損害賠償額に関して加害者側と争っている場合に加害者側に後遺障害等級の申請を任せることに抵抗がある場合などは、この方法で後遺障害等級の申請手続きを行うことになります。

事前認定と被害者等級の申請手続きの違い

事前認定・被害者請求、どちらの方法による申請手続きも、後遺障害診断書を医師に作成してもらい損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)における審査を通した後に認定結果が出るという点は同じです。

後遺障害等級の申請で被害者が行う被害者請求の流れ

後遺障害等級の申請方法のうち、事前認定は加害者側の保険会社が全て行ってくれるため、被害者が行う事といえば後遺障害診断書を提出するぐらいでしょう。

しかし被害者請求は全て被害者自身が行う為、申請の流れや仕組みを理解していないと、何をどうすればよいのかわからない人が多いはずです。

被害者請求の基本的な流れは下記のようになっています。

1.加害者が加入している自賠責保険会社に連絡

後遺障害等級の被害者請求の手続きの方法や必要書類は、請求先である加害者の自賠責保険会社によって若干異なります(根本的には同じ)。

そのため、加害者が加入している自賠責保険会社に連絡して、手続き方法や必要書類が書かれているパンフレットを送ってもらう必要があります。

加害者の車に積まれているはずの車検証に、セットで「自動車損害賠償責任保険証明書」があり、そこに自賠責保険会社の名前が記載されています。また、同じく記載されている加害者の自賠責保険証明書番号も必要になります。

または、交通事故証明書を見ます。交通事故証明書の「自賠責保険関係」という欄に、加害者加入の自賠責保険会社と番号が記載されています。

2.後遺障害等級の申請手続に必要な書類を集める

自賠責保険会社に連絡すると、「保険金請求のご案内(名称は会社ごとに異なります)」というパンフレットが届き、そのパンフレットに記載されている必要書類を被害者は集めることになります。

提出の際には、自分に有利な医証(専門医の意見書やカルテ、負傷状況の写真など)や自分に不利な事情を補う説明文書があれば、収集・作成をしておきましょう

3.加害者側の自賠責保険会社に書類を送付

すべての提出書類が揃い次第、被害者請求で後遺障害等級認定の申請をする旨の送付書を添え、加害者側の自賠責保険会社に郵送を行えば、手続きは終了です。

追加調査などがなければ、基本的に1か月~2か月後に結果が通知されます。

被害者請求に必要な書類と発行場所

後遺障害の申請に必要な書類のイメージ画像

自賠責保険会社によって若干異なりますが、だいたいどの保険会社でも必要となる書類と、その書類を発行している機関になります。なお、被害者が死亡した場合にのみ必要となる書類もあります。

また、後遺障害診断書・交通事故証明書・診療報酬明細書などの写しをもらう際、必ず「原本と相違ない」旨の押印を依頼するようにしましょう

必要書類 発行者・作成者 被疑者請求
傷害 死亡
1 自賠責保険支払請求書 加害者側の自賠責保険
2 請求者本人の印鑑証明書 市区町村役場
3 交通事故証明書 自動車安全運転センター
4 事故発生状況報告書 警察署
5 医師の診断書 医師
6 診療報酬明細書 医療機関
7 休業損害証明書 勤務先など
8 通院交通費明細書 被害者など
9

委任状および委任者の印鑑証明
*委任請求の場合

委任者
10 その他の損害を立証する書類など 作成者
11 後遺障害診断書
*後遺障害がある場合
医師  
12 死亡診断書または死体検案書 医師  
13 省略のない戸籍(除籍)謄本 市区町村役場  

●:必要書類の提出 ○:必要に応じて提出する資料

後遺障害等級認定に対する異議申し立ての方法

結果に納得がいかない被害者のイメージ画像

残念ながら後遺障害認定の申請を行った結果、認定が非該当だったり、被害者が思っていた以上に自身の後遺症が低い等級認定である場合があります。

その申請結果にどうしても納得ができない場合、被害者は保険会社に対し、異議申し立てを行うことができます

しかし、ただ結果に対して不満に思ったというだけで異議申し立てを行うことはできません。それでは、どのような場合に異議申し立てを行った方が良いのでしょうか。

★後遺障害等級の申請内容がこんな時は異議申し立てを行おう!★

・医師の診断書の内容が不十分、診断方法が不適切だった場合

・検査の結果が書かれていない場合

・検査をしていない、または検査方法が不適切だった場合

上記のような申請の結果や、そもそも申請する後遺障害を証明するための検査が未検査の場合は泣き寝入りをせずに異議申し立てをするべきです。

後遺障害等級認定の申請方法によって異議申し立ての手続きが異なる

異議申立ては「異議申立て書」という書面により行います異議申立て書は保険会社からもらうことができますが、受け取った異議申立て書を提出する保険会社は、後遺障害等級認定の申請方法によって異なります。

後遺障害等級認定の申請方法 異議申し立てを行う相手
事前認定 加害者の任意保険会社
被害者請求 加害者の自賠責保険会社

事前認定で申請手続きを行った場合は加害者側の任意保険会社に、被害者請求で申請手続きを行った場合は加害者側の自賠責保険会社に対して、書類を請求し異議申し立てを行うことになります。

効率的な異議申立てをするには

異議申し立てを行うにしても、「こんなに痛いのにその結果じゃ納得できない」「○○ができなくなったからどうにかして欲しい」という自覚症状のみ(自分視点)の文書を作成・提出したところで全く意味がありません。後遺障害の認定がされるには、自覚症状よりも他覚症状の内容に重点がおかれます。

そこで、申請が通りやすい異議申し立てを行うための効果的なポイントを紹介します。

★異議申し立てが通りやすい書類を作成するためのポイント★

1 理由の分析

2 証拠集め

1.非該当や低い等級認定になった理由を分析する

送られてきた等級認定の「通知書」を分析し、今の各症状と比べて認定理由が妥当ではない事情を探します。

しかし、理由を見ても抽象的な文言が多くよくわからないと感じる方が多いと思います。その場合は、加害者側の自賠責保険会社宛に、理由開示の申し入れを書面で送付すると、詳しく理由を説明してもらうことができます。

2.認定理由が妥当でないことを裏付ける証拠を集める

探した認定理由が妥当ではない事情を見つけるため、なぜ妥当ではないのか証明する資料を集めます。

その際、等級認定を申請した時と同じ資料を提出しても、再審査をしてもらうことはできません。より細かく適切な資料を入手する必要があります。では、どのような資料を入手すれば良いのか見てみましょう。

★異議申し立てに必要な資料★

医師による新たな診断書・意見書

より解像度の高いMRI画像

適切な検査資料

上記のような資料を揃えたならば、異議申立て書に添付し、加害者が加入している任意保険会社(事前認定)、または自賠責保険会社(被害者請求)に郵送します。

異議申し立てをする前に一度弁護士に相談しよう

後遺障害等級の認定の異議申し立ての方法を解説しましたが、一度出てしまった認定結果を変えることは決して容易ではありません。そのため、認定結果に納得できない場合は、まず弁護士に相談することをお勧めします。

しかし、弁護士であれば誰でも良いというわけではなく、交通事故の案件を多く扱っている経験豊富な弁護士を選ぶようにしましょう。交通事故、特に後遺障害等級認定の分野は、医学的な知識が必要な専門性の高い分野であるためです。

後遺障害認定の申請方法のまとめ

後遺障害を持った被害者のイメージ画像

後遺障害等級の申請方法と異議申し立て方法についてみてきました。事前認定、被害者請求ともに提出するところが違うだけで根本的な流れは一緒です。

審査する機構は一緒なので、提出した書類の内容によって等級の認定が変わるといっていいでしょう。

後遺障害の等級認定を受けるにあたり、スムーズかつ的確に進めたい場合は弁護士への依頼がおすすめです!

被害者からの依頼を待っている弁護士のイメージ画像

交通事故でケガを負い完治しないと判断された場合(症状固定)、適正な損害賠償額を受け取るためにも後遺障害の等級認定を受ける適正な等級認定を得るためには、書類作成から専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

初回相談料や着手金が0円の弁護士事務所もありますので、示談交渉に不安を感じたらまずは弁護士へ相談してみましょう。

【後遺障害認定を弁護士に依頼するメリット】

・後遺障害認定に関する書類作成や審査などは専門的な知識が必要となるため、専門家である弁護士に任せることにより、スムーズに手続きを進めることができる。
・専門家により適正な障害等級を得ることができ、後遺障害慰謝料の増額が見込める。
・ケガをしている中で、心理的な負担を省ける。

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