【交通事故による後遺障害等級】上肢の障害

公開日:2016/12/26
最終更新日:2018/08/06

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後遺障害認定

交通事故後の腕に障害が残った被害者のイメージ写真

 

 「上肢の障害は欠損障害、機能障害、変形障害に分類される

 欠損障害の等級は失った場所によって変わる

 機能障害とは関節が全く動かなくなることを指す

上肢の障害に関する後遺障害等級は、切断・骨折・脱臼・神経麻痺などによる欠損障害機能障害変形障害に分類されます。それぞれ詳しく見てみましょう。

【上肢の障害】欠損障害

まず、欠損障害に関する後遺障害等級と認定基準を見てみましょう。

等級後遺障害
第1級3号両上肢をひじ関節以上で失ったもの

上肢をひじ関節以上で失ったもの」は、

  1. 肩関節において、肩胛骨と上腕骨を離断したもの
  2. 肩関節とひじ関節の間で上肢を切断したもの
  3. ひじ関節において、上腕骨と橈骨および尺骨とを離断したもの

上記のいずれかに該当する状態をいいます。

等級後遺障害
第2級3号両上肢を手関節以上で失ったもの

上肢を手関節以上で失ったもの」は、

  1. ひじ関節と手関節の間で上肢を切断したもの
  2. 手関節において、橈骨および尺骨と手根骨とを離断したもの

上記のいずれかに該当する状態をいいます。

等級後遺障害
第4級4号1上肢をひじ関節以上で失ったもの
第5号4号1上肢を手関節以上で失ったもの

check

上肢の欠損障害に関しては、客観的な基準があるため、等級について被害者と加害者の意見が対立することは滅多にありません。

しかし、ごく稀に、下肢の欠損に比べると上肢の欠損は自賠責の労働能力喪失率ほど減収が生じないとして争いになるケースもあります。

【上肢の障害】機能障害

上肢の機能障害に関する後遺障害等級と認定基準は以下の通りです。

等級後遺障害
第1級4号両上肢の用をすべて廃したもの
第5級6号1上肢の用をすべて廃したもの

「上肢の用を廃したもの」は、肩関節・ひじ関節・手関節の3大関節のすべてが強直、かつ手指の全部の用を廃した状態をいいます。なお、上腕神経叢の完全麻痺もこれに含まれます。

等級後遺障害
第6級6号1上肢の3大関節のうち2関節の用を廃したもの
第8級6号1上肢の3大関節のうち1関節の用を廃したもの

関節の用を廃したもの」は、

  1. 関節が強直したもの
    ただし、肩関節に関しては、肩甲上腕関節が癒合し(離れた筋が付着すること)骨性強直していることがエックス線写真で確認できる必要があります。
  2. 関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの 
    「これに近い状態」は、他動では可動するけれど、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%以下程度になった状態をさします。
  3. 人工関節や人工骨頭をそう入置換した関節のうち、可動域が健側の可動域角度の50%以下に制限された状態にあるもの

上記のいずれかに該当する状態をいいます。

等級後遺障害
第10級10号1上肢の3大関節のうち1関節の機能に著しい障害を残すもの

関節の機能に著しい障害を残すもの」は、

  1. 関節の可動域が健側に可動域角度の50%以下に制限された状態にあるもの
  2. 人工関節や人工骨頭をそう入置換した関節のうち、可動域が健側の可動域より制限された状態にあるもの

上記のいずれかに該当する状態をいいます。

等級後遺障害
第12級6号1上肢の3大関節のうち1関節の機能に障害を残すもの

関節の機能に障害を残すもの」は、関節の可動域が健側の可動域角度の75%以下に制限された状態にあるものをいいます。

関節の可動域制限の設定について

関節の可動域制限は、可動域角度の違いが後遺障害等級に大きく影響を及ぼします。そして、その評価には後遺障害診断書に記載された可動域角度が非常に重要となります。

そのため、「関節の機能障害の評価方法および関節可動域の測定要領」の記載事項を理解し、正しい検査がされているか検討する必要があります。

check機能障害が認定されるためには、原則として器質的損傷が必要です。

関節部分の骨折後の癒合不良や、関節周辺組織の変性による関節拘縮、神経の損傷などの器質的損傷がなければ、ずっと障害が残るとは考えられないため、動きが制限される原因を明確に説明することが不可欠になります。

なお、労働能力喪失率に関しては、上肢の欠損と同様に、比較的重い等級の場合、自賠責上の労働能力喪失率と同程度には減収がないことが多く、その場合には喪失率が低くなる場合があります。

【上肢の障害】変形障害

変形障害とは、偽関節を残すもの、または長管骨に癒合不全を残すものをいいます。なお、偽関節とは、一般的に骨折などによる骨片間の癒合機転が止まって異常可動を示すものをさします。

それでは、上肢の変形障害に関する後遺障害等級とそれぞれの認定基準を見てみましょう。

等級後遺障害
第7級9号1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、

  1. 上腕骨の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残すもの
  2. 橈骨および尺骨の両方の骨幹部などに癒合不全を残すもの

上記のいずれかに該当し、常に硬性補装具が必要な状態をいいます。

等級後遺障害
第8級8号1上肢に偽関節を残すもの

偽関節を残すもの」とは、

  1. 上腕骨の骨幹部などに癒合不全を残し、上記の第7級9号に該当しないもの
  2. 橈骨および尺骨の両方の骨幹部などに癒合不全を残し、上記の第7級9号に該当しないもの
  3. 橈骨または尺骨どちらかの骨幹部などに癒合不全を残し、時々硬性補装具を必要とするもの

上記のいずれかに該当する状態をいいます。

等級後遺障害
第12級8号長管骨に変形を残すもの

長管骨に変形を残すもの」とは下記のいずれかに該当する状態をいいます。なお、同じ長管骨に以下の障害が複数ある場合でも、第12級8号と認定されます。

  1. 下記のaとbいずれかに該当する状態であり、外部から想見できる程度(15度以上屈曲して不正癒合したもの)以上のもの
    (a)上腕骨に変形を残すもの
    (b)橈骨および尺骨の両方に変形を残すもの(どちらか一方であっても程度が著しい場合は該当します)
  2. 上腕骨、橈骨または尺骨の骨端部に癒合不全を残すもの
  3. 橈骨または尺骨の骨幹部などに癒合不全を残すが、硬性補装具は必要ないもの
  4. 上腕骨、橈骨および尺骨の骨端部がほとんど欠損したもの
  5. 上腕骨(骨端部以外)の直径が3分の2以下、または橈骨もしくは尺骨(骨端部以外)の直径が2分に1以下になったもの
  6. 上腕骨が50度以上外旋または内旋変形癒合しているもの
    なお、50度以上の回旋変形癒合は下記のaとbいずれかに該当するかで判断
    (a)外旋変形癒合にあっては肩関節の内旋が50度を超えて可動できないこと、
     また、内旋変形癒合にあっては肩関節の外旋が10度を超えて可動できない状態
    (b)エックス線写真などにより、上腕骨骨幹部の骨折部に回旋変形癒合が認められる状態

ちなみに、長管骨の骨折部に肥厚が生じていても、委縮せずに良方向の癒着している場合は、長管骨の変形とは扱われません。

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上肢の変形障害は、下肢の変形障害に比べると労働能力への影響が低い場合が多く、労働能力喪失率を制限される可能性があります。

そのため、収入の減少の有無、減収しない場合には減収をしないために行っている努力や周囲の協力などを説明することが重要になります。

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