賃金センサス

交通事故に遭った際、収入が無い者(主婦や学生・生徒・幼児、無職者など)の休業損害逸失利益を算出する際に使われる“賃金センサス”について説明します。

賃金センサスとは

「賃金センサス」とは、厚生労働省が昭和23年より毎年実施している「賃金構造基本統計調査」の結果をまとめたものです。この調査では、事業所が属する地域、企業の規模別に、雇用形態や就業形態、職種や性別、年齢、学歴などの労働者の属性別に見た賃金の実態を明らかにすることを目的にしています。

賃金センサスにはどのような項目が含まれているのか

賃金構造基本統計調査には、次のデータが集計されています。

1)年齢
2)勤続年数
3)所定内実労働時間数
4)超過実労働時間数
5)所定内給与額(基本給に職務手当や家族手当を含む)
6)きまって支給する現金給与額(所定内給与に時間外勤務手当などを加えた給与の総額)
7)年間賞与その他特別給与額
8)労働者数

1~7は、いずれも労働者1人あたりの平均値となります。8は、調査対象数ではなく、該当する労働者全体の推計値です。

おおよその年収は、下記の式で算出することができます。
年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額 
ちなみに、ここでの金額は、社会保険料や税金を控除する前の金額になります。

賃金センサスを見ると、自分の給与が同じ年齢層の水準と比べ、高いか低いかがすぐわかることができます。

賃金センサスはどのような場合に使うのか

休業損害や逸失利益を算出する際、基礎収入の数字が必要になります。実年収がはっきりとわかっている場合は、実収入を使って計算しますが、家事従事者(主婦)や学生・生徒・幼児、無職者など、収入がない場合は賃金センサスの数字を使います。

また、30歳くらいまでの若年者や、一時的に収入が落ち込んでいる人、自営業で確定申告を行っておらず実際の収入が明確にわからない人も、賃金センサスの使うことができます。

家事従事者(専業主婦)の場合

主婦の場合は、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計の女子労働者全年齢平均の賃金を基礎収入とします。下記の表は、女子計賃金センサスの一部ですが、例えば35歳大学卒の専業主婦の場合、478万7200円を基礎収入とします。

単位:千円

年齢(歳) 学歴計 中学卒 高校卒 高専・短大卒 大学・大学院卒
全年齢 3727.1 2590.9 3101.2 3932.1 4546.5
30~34 3722.5 2577.3 2913.8 3656.1 4376.5
35~39 3868.1 2690.7 3052.8 3916.1 4787.2
40~44 4093.0 2834.1 3311.8 4270.3 5497.9

ちなみに、仕事をしている兼業主婦の場合は、実収入がこの平均賃金以上の時は実収入を、平均賃金以下の時は平均賃金の金額を使うことになります。

学生、生徒、幼児の場合

学生や生徒、幼児の場合は、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計の男女別労働者全年齢平均の賃金を基礎収入とします。下記の表は、男女と学歴を合わせた賃金センサスの一部ですが、例えば10歳女子生徒の場合、489万2300円を基礎収入とします。

単位:千円

年齢(歳) 年収額
全年齢 4892.3
~19 2381.5
20~24 3060.9

ちなみに、学生・生徒・幼児が男子の場合は、男子計賃金センサスを使います。下記は男子計賃金センサスの一部ですが、例えば10歳男子生徒の場合、全年齢平均の547万7000円が基礎収入となります。

単位:千円

年齢(歳) 学歴計 中学卒 高校卒 高専・短大卒 大学・大学院卒
全年齢 5477.0 3990.2 4699.4 4974.6 6637.7
~19 2483.4 2271.9 2491.5
20~24 3226.5 3085.4 3250.4 3070.5 3271.7

無職者の場合

就労の可能性が高ければ、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計の男女別労働者全年齢平均の賃金か、産業計・企業規模計・学歴計の男女別労働者の年齢別平均賃金を使います。例えば、男性34歳大学卒の場合、540万800円か、547万7000円いずれかを基礎収入とします。

単位:千円

年齢(歳) 学歴計 中学卒 高校卒 高専・短大卒 大学・大学院卒
全年齢 5477.0 3990.2 4699.4 4974.6 6637.7
30~34 4764.7 4077.9 4170.6 4237.5 5400.8
35~39 5370.2 4213.6 4646.4 4826.3 6300.3
40~44 5969.6 4501.9 5206.4 5474.1 7166.5

賃金センサスの最新版はどこで見られるのか

上記で挙げた賃金センサスは、どれも一部に過ぎません。また、毎年実施されている調査ですので、賃金センサスも毎年更新されます。(このページでは平成27年の賃金センサスを載せています)表の全部、あるいは最新版をご覧になりたい方は、厚生労働省のホームページで確認してください。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査結果」はこちらからどうぞ

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