損害賠償を請求するのは加害者本人だけとは限らない

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交通事故の被害者となった時、加害者本人に損害の賠償を請求することは当然ですが、加害者本人以外にも賠償請求をすることができる場合もあります。

ここでは、どのような立場の人が、加害者本人以外に賠償の責任を負うべきであるか見てみましょう。

加害者本人以外に損害を賠償する責任がある人

事故の損害賠償は、もちろん加害者本人に責任があり、加害者が加入している保険会社が、加害者の代わりに賠償金の支払いを行うことりなりますが、以下のような立場の人にも請求をすることができるケースがあります。項目ごとに詳しく見てみましょう。

  1. 事故を起こした車の所有者(運行供用者としての責任)
  2. 加害者が労務中であった場合、
    加害者の勤務先の社長や雇用主(使用者としての責任)
  3. 加害者が未成年者の場合、加害者の親(監督義務者としての責任)
  4. 加害者以外に交通事故の原因となる行為をした人(共同不法行為者としての責任)
  5. 交通事故の原因に道路の欠陥があった場合、国や地方公共団体(国家賠償の責任)

1.運行供用者としての責任

運行供用者とは、「自己のために自動車を運行の用に供する者」を指します、つまり、簡単に言うと「加害車両の運行をコントロールでき、且つ、それによって利益を得ている人」です。

まず、加害車両の所有者として運行供用者にあたる、またはあたらない人の一例を見てみましょう。

加害車両の持ち主 運行供用者の責任
                加害車両の所有者             運行供用者にあたる
                  レンタカー業者             運行供用者にあたる
                  使用貸借の貸主             運行供用者にあたる
                     代車提供者             運行供用者にあたる
                  盗難車の所有者  原則として運行供用者にあたらない 
            無断運転された車の所有者     原則として運行供用者にあたる
                 代行運転の依頼者             運行供用者にあたる
 リース会社(所有権留保特約付売買の売主)            運行供用者にあたらない
                   自動車修理業者    原則として運行供用者にあたる
         請負人が起こした事故の注文者  原則として運行供用者にあたらない

上記から2つのパターンを詳しく見てみましょう。

加害車両がレンタカーだった場合

加害者がレンタカーを運転中に事故を起こした場合、レンタカー業者に損害賠償の請求を行うことができるケースもあります。

交通事故証明書には、自動車の所有者にそのレンタカー業者が記載され、連絡先もわかるため、損害賠償の請求する場合は、記載されたレンタカー業者やレンタカー業者が加入している保険会社に対して交渉をすることになります。

加害車両が盗難車だった場合

加害者が運転していた車が盗難車であった場合、盗難車の所有者には原則として損害賠償の請求をすることができません。

これは、加害者に対して車を使用することを承諾したわけではないので、運行供用者としての責任が発生しないためです。

2.使用者としての責任

加害者が勤務中に事故を起こした場合、加害者の勤務先に対しても損害賠償を請求することができる可能性があります。

ポイントは監督としての責任の有無

これは、法律で「事業のために他人を使用するものが、事業の執行につき被用者が損害を第三者に与えた場合、使用者が責任を負担する」ことが定められており、これが使用者としての責任となるためです。

会社側としては、従業員の監督に十分な注意をしたことが立証できれば、使用者としての責任を免れることができるのですが、勤務時間に社用で運転をしていた時点で、「事業の執行につき」と見なされてしまうため、責任の免除が認められることは大変難しいと言えます。

3.監督義務者としての責任

未成年者が交通事故を起こした場合、車が親の所有物であれば、親に損害賠償の請求を行うことができます。また、車が未成年者の所有物である場合でも、自動車の購入費や、ガソリン代などの維持費、保険料などの管理費用を親が支払っていた場合は、親の運行供用者としての責任が認められます。さらに、親が監督を怠らなければ防止することができた事故の場合ですと、親には監督義務としての責任が認められる可能性があります。

4.共同不法行為者としての責任

加害者が飲酒運転で交通事故を起こした場合、同乗者が加害者に飲酒を勧め、飲酒したにも関わらずに運転をさせた場合、同乗者にも損害賠償の請求ができる可能性があります。これは、損害の発生について、加害者と同乗者は共に落ち度があるわけなので、共同不法行為者としての責任を負うべきだと考えられるためです。

駐車場内で事故が起こった場合

駐車場内で事故が起こった時に、駐車場がずさんな管理状態であった場合は、簡単ではありませんが、駐車場の管理者に損害賠償の請求ができる可能性があります。

これは、一般利用者が相当な注意を払ったとしても事故が起きて当然な管理状態である場合に限り、駐車場の管理者としての責任を果たしていないと考えられるためです。

加害者が死亡した場合も賠償責任は消えない

加害者が死亡した場合でも、賠償責任が消えることはありません。事故当時に加害者が加入していた任意保険は、保険金の支払義務を負っていますので、任意保険会社に損害賠償の請求を行うことになります。

それでは、加害者が任意保険に加入していない場合はどうなるのでしょうか?その場合、加害者の相続人が相続放棄をしなければ、加害者の相続人にも損害賠償の請求を行うことができます。

交通事故の示談交渉は弁護士に依頼するべき?

交通事故の被害にあうと、通院中や入院中に保険会社との示談交渉が始まる場合もあり、事故のダメージが残っている中、専門知識もないまま専門家と対峙しなければなりません。

非常にハードルの高い交通事故の示談交渉。弁護士に依頼したらどのようになるのでしょう。交通事故示談アシストでは、実際に交通事故被害にあい、弁護士に依頼した方のインタビューをしました。

どのタイミングで弁護士に依頼したのか?、依頼するメリットとデメリットは?、弁護士費用はどの程度掛ったのか?など、気になる事をズバリお答え頂きました。

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